default logo

大澤寛のタンゴ訳詞集

ホーム フォーラム 資料掲示板 大澤寛のタンゴ訳詞集

  • このトピックには408件の返信、1人の参加者があり、最後に匿名により5年、 10ヶ月前に更新されました。
15件の投稿を表示中 - 76 - 90件目 (全409件中)
  • 投稿者
    投稿
  • 匿名
    無効

    「Canto por vos Buenos aires」 (お前に歌う ブエノスアイレス)
    Letra : Irma Lacroix Música : Rosaura Silvestre

    Lloré por vos Buenos Aires    俺は泣いたぜ ブエノスアイレスよ
    cuando tuve que dejarte,      お前との別れの時
    entonces para abrazarte      あの時 お前を抱きしめたくて
    emocionado canté           胸迫る思いで歌ったのだ
    Y la historia de tus barrios     お前の下町の物語は
    en cada tango vivía,          どのタンゴにも生きていた
    porque de lejos volvían        俺が愛した物たちが全部(みんな)
    todas las cosas que amé.       遠くから戻って来たのだから

    Canté por vos, Buenos Aires     お前のために歌ったのだ ブエノスアイレスよ
    en el camino que abría,        俺の前に開けた道程(みち)で
    que a nuevos cielos subía       俺のブエノスっ子気質(かたぎ)が
    mi porteño corazón.           新しい天地(せかい)へ駆け登ったのだから
    Y canté con toda el alma        俺は心の底から歌った
    para que te conocieran,         人々がお前を知ってくれるために
    y los pueblos te quisieran        そして 俺がお前を愛するように
    así como quiero yo.            お前を愛してくれるように

    Volví por vos, Buenos Aires       お前のために戻って来たぜ ブエノスアイレスよ
    cuando tuve entre mis manos,     俺の手の中に
    el mundo de los hermanos        お前のために手に入れた
    que para vos conquisté.          同胞(なかま)たちの世界を持って
    Y la emoción del regreso          戻って来ることの嬉しさが
    pecho adentro me golpeaba,        俺の胸の中(うち)を打ったものだ
    en tu ritmo palpitaba            お前のリズムに合わせて
    el corazón de Gardel.            ガルデルの心が脈打っていた

    (Coda)                       (終曲)
    Y hoy canto, mi Buenos Aires       今 俺は歌う 俺のブエノスアイレスよ
    pero quien canta sos vos…         だけど 歌うのはお前だぞ

    邦訳:大澤 寛

    匿名
    無効

    「Canzoneta」(懐かしい歌)
    Letra : Enrique Lary (n/d-1970)                   
    Música : Erma Suárez (n/d-1981)

    ラ・ボカ 細い道 ロチャの曲がり角
    居酒屋 アコーディオン弾きのヘナロ
    心を失くした暗い唄
    安飯屋の隅に隠れていた
    古い悲しみに ふと襲われる
    生きることの苦しさ
    “ああ お袋(っか)さん”
    俺は髪も白くなって いつもこのテーブルで
    なすこともなく酒に浸っている

    “オーソレミーオ”が聞こえて来ると
    “母も無く 愛も無い” 俺の心は冷えて来る
    満たされない願いで一杯になる
    子供の頃に故郷(くに)に残してきた お袋の心なのか
    泣け 泣け“オーソレミーオ”
    俺も泣きたいんだ
     
    ラ・ボカ 細い道 ロチャの曲がり角
    アコ弾きヘナロは もう行ってしまう
    “俺の着ているものがどうかしたか?”
    ひどく震えて グラスの酒がこぼれて
    “汚れたって構うものか!”
    Tarento に帰る夢を 何度見たことか
    だけど俺はずっとこのラ・ボカにいる
    悲しく 壊れた許されない心で
    嘆きを 泣いて吐き出している

    邦訳:大澤 寛

    舞台はイタリア移民の町La Voca。イタリア移民の望郷の念と亡き母を偲ぶ気持ちを典型的に表している。“オー・ソレ・ミーオ”の1節が歌われ幾つかイタリア語が混じる。このテーマはタンゴには極めて多い。

    Malón : (インディオの)来襲、 不意打ち・襲撃
    Figón : 大衆食堂・飯屋
    Aferrar : vt.(しっかりと)掴む、捕まえる aferrarse : 固執する
    Senza : (伊)=without
    Derramar : こぼす・撒き散らす
    Congoja : 嘆き・悲嘆・悲痛・心痛・苦悩、失神

    匿名
    無効

    「Carmen」(カルメン)
    Letra y música : Fulvio Salamanca (1921-99)

    お前は貧しい揺り籠で生まれ
    太鼓のリズムで洗礼を受け
    白い希望の夢の中で育ち
    恋の赤いバラを噛んだ

    安アパートの暗い夜に歌い母親が
    もう帰らないのを知って泣いた
    それは金槌で殴られたような
    突然やって来た衝撃だった
    お前の命は燃え尽きた
    太鼓の響きの中で

    カルメン!
    愛しいカルメン!
    目覚めることなく眠れ
    苦しみ 肌の黒い苦しみ
    それはもっと大きい苦しみ
    お前は もう歌わないだろう

    太鼓の音も静かになった
    太鼓の音も静かになった

    邦訳 :大澤 寛

    匿名
    無効

    「Carnaval de mi barrio」 (我が町のカーニバル)
    Letra y música : Luis Rubistein (1908-54)

    私の町はお祭りで 笑いが一杯
    心には 不思議な優しさが満ちて来て
    時間が早く過ぎ去るみたい そこから歌が生まれるようだ
    子供たちの楽隊が タンゴに挑んでいるのだが
    調子外れで 耳が壊(つぶ)れる 
    雀たちは 神様がくれた喜びに 
    水溜りで泥をはねている 

    私の町のカーニバル
    そこには 恋が一杯で
    悲しみなどは消してしまう
    鈴を転がす笑い声
    私の町のカーニバル
    そこには太陽の一かけら
    月と 街灯の歌の名残り

    アパッチの扮装でやって来た女
    町中は どこの家でも噂で持ち切り
    その女の ド派手な衣装と黒い眼と
    隠しきれない育ちの悪さの
    イタリア移民の八百屋がひとり
    仕事に飽きて 道端でパイプを燻らす
    苦い笑いに縺れて浮かぶ 故郷への想い
    遠い昔のあのイタリアの 生まれた町のカーニバル

    邦訳:大澤 寛
    Murga : 流しの音楽隊
    Machucar : 1.押しつぶす・へこます  2.傷を付ける・はさんで怪我をする
            (ル)強く握手をする
    Destemplado : 声が甲高い・調子外れの(楽器にも)
    Descarado : 厚かましい・恥知らずの・厚顔な
    Cachimbo : cachimba = パイプ fumar en cachimba パイプを吸う・燻らす
    Yugar: = trabajar

    匿名
    無効

    「Caserón de tejas」(瓦葺の大きな家)
    Letra : Cátulo Castillo (1906-75)                
    Música : Sebastián Piana (1903-94)

    ベルグラーノの町!
    瓦葺の大きな家!
    覚えているかい 妹よ
    歩道を歩いた あの穏やかな夜を?
    近くを通る汽車が
    古い可笑しな記憶を
    残して行ったものだ
    薔薇の茂みの 柔らかな静けさに

    何もかも あんなに素朴で
    空のように澄んで
    あの甘い昼寝の時に
    お祖父さんが聞かせてくれた物語のように
    楽しかった
    暗い部屋にあるピアノからは
    清らかな優しいワルツが聞こえてきた

    蘇(かえ)ってきた! 蘇(かえ)ってきたぞ!
    眠るようなピアノの音の中に
    お前の手の繊細な魔法にかかって
    お祖父さんの服の裾が見えて来る
    お祖父さんを呼びな! お祖父さんを呼びなよ!
    あの遠い昔の物語の中に生きよう
    だってベルグラーノのあの大きな家で
    魔法にかかったママが
    私たちを呼んでるから

    ベルグラーノの町!
    瓦葺の大きな家!
    あの水瓶は何処へ行った?
    あの中庭は何処に行った?
    あの垣根格子は何処に行った?
    ピアノのところに戻って来なよ
    愛しい妹よ
    そしたらピアノのメロディーの中に
    家庭(うち)の晴れやかな日々が
    蘇(かえ)って来るだろう

    お前の微笑みは 妹よ
    私の苦しさから救ってくれる
    そして あの甘い昼寝の時に
    お祖父さんが聞かせてくれた物語のように
    あの暗い部屋にある 可愛いピアノが
    あの清らかな優しいワルツを
    再た奏でるだろう

    邦訳:大澤 寛
    Hermana は姉でも妹でもいい。親しく女性に呼び掛けるくだけた言い方でもある。

    Caserón : 古めかしい大きな屋敷   casona
    Teja : 瓦
    Vereda : (中南米)歩道、    小道・踏みわけ道
    Templanza : 1)節度・節制、穏健  2)暖かさ、温暖
    Rosal : 薔薇の木・茂み・生垣
    Revivir : 生き返る・蘇る・復活する・元に戻る Revivió la discordia.
    Vt. : 蘇らせる、思い出す、再度体験する
    Conjuro : 悪魔払い、悪魔払いの呪文、魔力
    Faldón : (衣服やカーテンなどの)裾   (建築)切妻
    Arcano : 神秘・不思議   (文語)神秘な・秘密の recóndite/a
    Aljibe : 雨水溜め   cisterna
    Cobijar : 宿泊・避難場所を提供する、 de ~ から庇護する

    匿名
    無効

    「Charlemos」(一緒に話しましょう)
    Letra y Música : Luis Rubistein (1908-54)

    ベルグラーノの6011番ですね? レネと話したいのですが
    そこには居ないって? いや 切らないでください あなたとお話できますか?
    切らないでください 淋しい午後です 私は涙もろくなっています
    判りました レネは死んだのですね
    話しましょう 相手はレネでもあなたでもいいのです

    話していれば 私は幸せなのです 人生は短いのだし
    一緒に夢を見ましょう 雨が降るこんな暗い午後に
    語り合いましょう 愛について 女と男になりましょう
    そしたら あなたの声で 私の残酷な苦しみが ずっと和らぐのです
    話しましょう それだけです 
    私は すぐに消えてしまう夢に囚われているのです 生きて見ることのない夢に
    話しましょう それだけです 
    あなたの声を聴いていると ここ 私の胸は 新しい想いに脈打つのです

    なんですって? 会わないかって? ずっと夢のままでいましょう 
    お互いに知り合わないで 心と心で 語り合いましょう
    会えない 私はあなたには会えないのです 
    苦しいです どんなにあなたを愛したいか!
    私は眼が見えないのです 済みません
    邦訳:大澤 寛

    出だしの電話番号は原詩では ¿Retiro sesenta once? (レティーロの6011番ですか?)だったそうだ。偶々これと同じ番号が実在していて、レティーロ駅の交換台に“レネと話したい”という電話が殺到。駅から抗議が出て書き変えたという。(todotango の記事から)

    匿名
    無効

    「Che, bandoneón」(なあ バンドネオンよ)
    Letra : Homero Manzi (1907-51)    
    Música : Aníbal Troilo (1914-75)
    なあ バンドネオンよ
    お前の音色の怪しい魅力が
    他人(ひと)の悩みを憐れんでいる
    眠たげなお前の蛇腹を抱きしめると
    悩みつかれた心に辿り着く
    エステルシータもミミも ニノンと同じように
    貧しい衣装の運命を脱ぎ捨てて
    お終いにレーヨンの死衣装を着た
    お前の葬送(とむらい)の唄に合わせて

    バンドネオンよ
    今日は馬鹿騒ぎの夜だから
    お前に本当のことを告げよう
    グラスを重ね 嘆きを繰り返し たくさんのタンゴと
    酒の狂気と苦さにとり憑かれて
    バンドネオンよ
    どうしてそんなにあの娘を呼ぶのだ?
    心が愛想尽かしをしているのが判らないのか?
    あの娘は夜毎帰ってくる お前の嘆き節の唄になって
    なあ バンドネオンよ

    お前の唄は 終わらなかった愛と
    いつか二人で夢見た空 それに
    愛することの嵐の中に 懸命に身を沈めた
    兄弟のような友 そして
    時々理由(わけ)も無く我々を襲う あの押さえ難い
    泣きたい気持ち そしてさらに
    心が何処を彷徨うのか 無理に思い出させる酒なのだ 
    なあ バンドネオンよ

    (注)“orsai” (orsayとも書く) はサッカー用語で英語の off side のこと。
    ここでは“道に外れた”“何処に居るのか判らない”といった意味。
    (邦訳:大澤 寛)

    匿名
    無効

    「Che, papusa, oí」(ちょっと ネエちゃん 聞きなよ) 1927
    Letra : Enrique Cadícamo (1900-99)
    Música : Geraldo Hernán Matos Rodríguez (1897-1948)
    ちょっと 人形 お人形さんよ 気取った喋り方*をする      *hablar con zeta : 脚注参照
    気前のいい男には 愛嬌をふりまいて
    タンバリンを鳴らすみたいに大袈裟に
    嫌味な踊り方をする
    金のかかった衣装を付けてコルテ*を踊る          *corte : タンゴダンスのステップのひとつ
    変に気取ってドラッグを飲む
    金にあかせた車に乗って南から北へ
    上流階級の貴夫人みたいに走り去る

    ちょっと ネエちゃん 聞きなよ!
    バンドネオンが奏でる落ち着いたメロディーを
    ちょっと ネエちゃん 聞きなよ!
    あんたの哀れな心が 苦しそうに脈打っているのを
    ちょっと ネエちゃん 聞きなよ!
    このタンゴから 昔の町の姿が浮かび上がるのを
    周りから煽てられて 今は調子に乗っているけど
    明日のあんたに会ってみたいものだ!

    ミロンガ*で踊りまくる 綺麗で 陽気な 誘いかけるような    *milonga : ここでは“踊りに行く場所”
    ペパーミント酒の色をした やくざな感じの眼をして
    不良がかった格好で フランス語の真似をする
    罪作りな カルミン*色した唇の女の子       *carmín : 洋紅色・深紅色、カーマイン・レッド 口紅
    ミロンガでは お前の身に付けた飾りが
    派手に虚勢を張って光って見せている
    そしてあの激しい動きのタンゴを踊る時
    お前は 賢い男を馬鹿に変えて      
    間抜けな男を賢く変える
    邦訳:大澤 寛
     *hablar con “zeta”
    “zeta” は “z” の音すなわち英語の ”th” の音をいう。
    中南米のスペイン語では通常 ”s”音と ”z”音の区別をつけないで全て ”s”音で発音する。 そんな中でわざとらしく ”z” を ”th”音で発音すると “気障な” “お高くとまった” と受け取られることがある。
    papusa : mujer hermosa y ,a la vez, agradable
    miché=mishé : hombre que mantiene a una mujer y le da todos los gustos
    chiqué : tono, amaneramiento,
    posta : de buena calidad, // hermoso
    aspaviento : exageración afectada de un sentimiento o un estado de ánimo,// ostentación
    pandereta : タンバリン
    prissé=pris, prise : droga, porción de cocaina que se aspira
    仏語prendre(=tomar)の過去分詞
    camba : revés de bacan
    cachet : clase, toque distintivo de elegancia y señorío en el vestir y en los modos
    pasaje : 章句・一節・ひとくだり   狭い通路・横町・路地
    breva : asunto o cosa que se presenta como muy tentadora o prometedora // mujer hermosa
    alhaja : 装身具、宝石類
    faroleo : 虚勢・はったり・空威張り
    meta y ponga : modismo que indica una acción intense y sostenida

    匿名
    無効

    「Chiqué (1)」(気取り屋)
    Letra y música : Ricardo Luis Brignolo (1892-1954)
    (Ricardo C. De Leónというペンネームで発表したもの)
    俺はもう気分が悪くなりそうだ
    そんなお前を見ていると
    とてつもなく*1着飾っている
    それにあの馬鹿な男を見ていると
    金*2は沢山あってお前を買った男
    お前を傍に置いておきたくて
    あいつには判らんだろうなあ
    明日にでもお前が逃げ出して
    古い我が家に戻ることが
    古い想い出と楽しかったことが
    お前を有頂天にしたあの部屋へ
    *1:de bute :ルンファルドで見事に・上手く・素晴らしく スペイン語では de buten という副詞句で使われる:   *2 :vento :ルンファルドで,お金= dinero
    覚えているぜ 
    お前はギンダ*3より綺麗だった
    100ペソ札*4でも買えはしない
    いつも午後になると散歩に来たな
    狐の毛皮を身につけて
    行ったり来たりは魅力があったぜ
    男の子が群がって
    何処に行っても待ち受けていて
    いろいろ言葉をかけたものだ
    俺ももちろんそうしたのだが
    *3 guinda :黒さくらんぼう・マラスキーノ・チェリー(カクテルなどのに使う)
    *4 pelpa : papel を逆さまにしたもの
    そして今 あの頃はとうの昔
    俺は本気で*5お前を愛するつもりだ
    お前がして来たことは判るさ*6
    俺には決して恰好を付けなかったな*7
    だから俺はいつもお前に向き合ってきた
    人生のどんな時にもだ
    俺の宝、俺が惚れた相手だよ
    俺は筋を通すぜ*8 筋を通すぞ俺も
    *5 sin grupo : 嘘でなく・本気で
    *6 manyar : ルンファルド ここでは“判る”“知っている”の意味で使われている
    *7 chiqué :ルンファルド “見せかけ・気どり・気障、 偽装・仮病”などの意味で使う。そこから“気取り屋”
    *8 de línea :línea(ラ米)“高級品、立派な人”という意味で使う。ルンファルドとまで行かない口語的な用法で
           “正しい・公正な・正直な・まっすぐな”人を指す

    邦訳:大澤 寛

    Chiqué 資料

    Pilcha : 衣類・身にまとうもの、古着  2)愛人・恋人
    De bute : 正統スペイン語では de buten という副詞句で使われる:見事に・上手く・素晴らしく
         Me ha salido de buten la sopa
    Gil : tonto, otario crédulo ingenuo
    Berretín : capricho/fantasía deseo vehemente pasión idea fija
    Vento: (ル)dinero
    Querencia : 帰巣(回帰)本能、古巣・愛着のある場所、我が家・家、愛情・愛着・傾倒

    Guinda : 黒さくらんぼう・暗紫色の酸っぱい実がなる、  
    マラスキーノ・チェリー(カクテルなどの使う)
    Pelpa : revés de papel como tal y billete papel moneda
    Doquier/doquiera = donde quiera por doquier = 何処にでも・いたるところに
    Acechar : 見張る・機を伺う、待ち伏せする

    Grupo : (南米)嘘・偽り・トリック  sin grupo : en serio, sin engaños, realmente
    Manyar : comer, alimentarse // conocer, comprender una cosa
    // conocer bien a alguien
    Racha : 一陣の風・突風、  一連・一続き・続く期間
    Línea : 8)家系・家柄・血統  10)種類・等級・ジャンル  
    15)(ラ米)高級品・立派な人

    Chiqué
    // Ostentación, alarde // simulación(見せかけ・ふりをすること、仮病、偽装)
    afectación (見せかけ・装い、気どり・気障)
    // Estilo que se emplea para llamar atención con modos afectados
    Del argot chiquer = fingir, simular

    // dique = Darse chiqué(ル)ostentación,lucimiento exagerado,exibicionismo, / coqueteo / Dar dique = Alardear, buscando impresuionar o seducir a alguien
    / Ofrecer en venta algo valioso y mostrrarlo al candidato a comprarlo, para cambiarlo hábilmente por otro similar, pero falso, en el momento de cerrar el trato

    匿名
    無効

    「Chiqué (3)」
    Letra : Juan Carlos Fernández Díaz         Música : Ricardo Luis Brignolo

    お前の狂ったような笑い声が響くと
    子供みたいに素直だった俺の心は酔わされた
    俺は お前を気が狂うほど愛した
    お前は俺の愛情だけを欲しがったものだ
    しかし 俺の運は永遠に消え去ったのだ
    お前がそれほど金に弱い女だと知った時
    幸せな夢を紡いでも 
    現実のものにはならないことを知った

    お前は無邪気に覚えているだろう
    あの遠い日々に 
    二人して描いた人生の行方を
    お互いの眼の奥を見つめて
    心に秘めているかもしれない
    隠された浮気心を
    探ろうとしていた
    愛の行方だけを決める
    甘い言葉を囁きながら

    俺は今 たった一人で 過去に生きている
    もう決してお前の眼の中を探ることはない
    愛の光りの輝き その中でどれだけ楽しんだことだろう
    今の俺の伴侶は 淋しさだけだ
    俺の受けている拷問の様な苦しみがどれほど大きくても
    俺の苦しみのせいで お前の豊かな幸運が崩れることは
    決して望みはしない

    邦訳:大澤 寛

    Esfumar : (絵画・デッサンなど)ぼかす
      Esfumarse : 1) 徐々に見えなくなる  2) (人が) 突然いなくなる
    Sumiso : 従順な・おとなしい  niño sumiso
    Musitar: (vt) musitar algo al oído de alguien 呟く・囁く
    Ternesa : 1) = ternura 2) pl. 愛情表現 susurrar terneras
    Dictar : 言い渡す・命じる  Haz lo que te dicte la conciencia.
    Tren : 贅沢さ・派手なこと・豪華さ 
    a todo tren 1) 金に糸目をつけないで vivir a todo tren 2) 全速力で

    匿名
    無効

    「Chiqué (2)」
    Letra y música : Ricardo Luis Brignolo

    お前には礼を言いたい お前の愛が
    俺の傷ついた心に 命を注ぎ込んでくれるから
    俺の情熱の焔に お前が鮮やかに火を付けてくれてから
    その情熱は 限りない憧れを抱く激しい恋心に変わった
    俺にとってのお前は 聖なる母親のようだ
    お前の心の優しさの中に いつも俺は光を見つけていた
    夢に満ちた夜明けの光を

    お前はこの世界に 心地よい香しさと 
    この上ない清らかさとを 与えに来る
    お前の 優しく人を魅了するような歩みは
    心をとらえる小鳥のようだ
    お前はキューピッドの矢みたいだ
    咲いたばかりの花が そよ風に揺れているみたいだ
    神が微笑んでいるみたいだ

    俺にとってのお前は 太陽だ
    そして 恋の夜を照らす月だ
    昔お袋が庭に植えた 美しい赤いバラだ

    俺はいつもお前を 汚れの無い 
    純粋な魂の持主として 
    崇拝するものになろう
    お前は空のあの高みからの励まし
    俺はいつも お前の下僕(しもべ)でいよう

    邦訳:大澤 寛

    Chiqué(1) と同じ作者による作詞であり、曲は(1)と同じもの。もともと(1)も (2) もあまり歌詞は歌うわれなかったらしい。それにしても(1)と較べて(2)の詞のなんと凡庸でつまらない内容であることか。(2)は1943年から49年までの検閲の時代をやり過ごすためのもの。
    検閲を行う政府側に対する“これなら文句は付けようがないだろう”という気持ちを表しているように思える。

    Primor : (細工などの)精緻さ・見事なこと・繊細なこと
         入念に作られたもの・見事な作品・美しいもの
         hecho con primor
    Este bordado es un primor Esta chica es un primor
    Canta que es un primor
    Impregnado : 沁み込ませる・含ませる、 
    満たす・(心に)沁み込ませる・(思想などを)吹き込む
    Supremo: 至高の・無上の・最高の hora suprema 臨終 Ser Supremo 神
    Sublime: 1.荘厳な・崇高な・気高い・偉大な 2.(口)素晴らしい・とても良い
    Candor : 清純・無心・無邪気、 うぶ・素朴・単純、  純白・雪白
    Arrobador : 魅了する・恍惚とさせる
    Tallo : 茎、 新芽・若枝
    Astro rey = sol 太陽
    Idolatrar : (偶像を)崇拝する、礼拝する、  偶像視する・心酔する・溺愛する
    Inmaculado : 汚れの無い・一点の曇りもない、 無垢な・純潔な、 無原罪の

    匿名
    無効

    「Chiquilín de Bachín」(バチンの少年)
    Letra : Horacio Ferrer (1933-2014)
    Música : Áator Piazzolla (1924-92)

    Horacio Ferrer とÁstor Piazzolla のコンビ*による傑作。
    第2連はカトリックの説話を踏まえている。そして第3連がこの曲の主題になっている。
    現在は裕福に、裕福でなくても普通に暮している人でも、もし過去に運命が一つ狂っていたら、この少年のような境遇になっていたかも知れないと言う気持ちを心に持っている。そして、施しを求められた時にそれをしなかった、出来なかったことへの恥は深い。
     この曲と同じく不幸な境遇の子供を登場させるタンゴは数多い。「El huérfano」「La limosna」「El bazaar de los juguetes」や「Huerfanita」など。 さらにこの歌詞から連想されるのは「Yira, yira」や「Sueño de barrilete」などがある。

    *コンビのことをしばしばbinomio (数学用語で2項式)と言う。dúo よりちょっと重々しい?
    作詞家と作曲家のbinomio の例を挙げれば
    Alfredo Le Paera とCarlos Gardel
    Enrique Cadícamo と Juan Carlos Cobián
    Francisco García Jiménez とAnselmo Aieta
    Homero Manzi とSebastián Piana など

     (以下は関西外国語大学大澤ゼミでこの曲を取り上げたものをそのまま再録するもの)
    「Chiquilín de Bachín」の第2連以下をどのように日本語に置き換えるか? 原詩の脚韻(=rima) までを使って翻訳するのは不可能だが、原詩に施されている脚韻に対抗する試みのひとつとして七五調への置き換えを試みよう。

     原詩の第1連の脚韻を見てみよう。 
    bluyín と Bachín   brilla と parrilla
     これに対抗して七五調で訳してみると
    夜毎バチンの居酒屋で テーブル廻って薔薇を売る
    ジーンズ履いた小天使 汚れた顔の小天使
    月が焼肉照らしても お前にあるのは焦げたパン

     第2連には幾つものキリスト教(カトリック)の信仰説話が下敷きになっている。
    un seis de enero は何を指しているのか? キリストの生誕は12月25日とされる。それを祝うために東方の三賢人(Tres Reyes Magos三博士とも言う)が三種類の土産(oro=黄金 incienso=香 mirra=ミルラ、没薬)を持ってBelén (=ベツレヘム、キリスト生誕の地)に到着したのが翌年の1月6日(seis de enero) のこと。そしてtres reyes gatos は tres Reyes Magos をもじったもの。キリスト教世界で1月6日は el día de los Reyes Magos という祝日であり、子供たちに玩具などの贈り物をする習慣になっている。さらに estrella del revés が下敷きにしているものは、幼児キリストの幸せを願うベレンの星(=la Estrella de Belén) であり、 del revés で主人公のバチンの少年が幸せとは逆の境遇にあることを示しているもの。
     また roban sus zapatos, uno izquierdo y otro ¡también! の解釈には1)素直に“左の靴も もう片方の右の靴も”の他に2)“左足の靴を盗まれたが、貧しい少年が右足に履いていたのも左足用のものだった”という穿った解釈をするネイティヴもいる。
    脚韻はどうなっているか?
    すぐに気が付くのは gatos とzapatos だが、amanecer, revés, también で E の音を響き合わせている。
    朝が来るのを嫌うから いつも目覚めは悲しくて
    1月6日のお祭りも 無情の星に起こされる
    履いてる靴まで盗まれる 右のも左のも盗まれる

     この詩の主題になっている第3連を見よう。
    un ramo de voz は un poco de tu voz と考えていい。ramo (=花束、小枝) は少年が売っている薔薇の一枝。この第2連には“現在の自分はこの少年ほどには惨めではないけれど、この少年に似た過去を持っているか、或いはひとつ運命が狂えば自分もそうした境遇に落ちていたかも知れない”ごく普通の人々の思いが籠められているのだろう。そして日常的な感覚として語られているのは“物乞いに施しをしなかったことへの後悔・恥”の意識である。この部分は最後の段落・連で繰り返されていることからもこの詩の主題である。
    なおbaleame con tres rosas のbalear という動詞の解釈は1)普通のスペイン語の“銃で撃つ”“だまし取る” 2)ルンファルドの“飾る”。ここでは1)を採用して“撃ってくれ”“殴ってくれ”とする。脚韻は entendí とchiquilín のÍ の音。
    “チキリン!”
    俺にお前の声を呉れ そしたら俺は街に出て
    花に隠して恥を売る 
    俺を殴ってくれないか お前の持ってる3本の
    薔薇で殴ってくれないか 
    俺が知らないお前の飢えを
    嘆くお前のその薔薇で
    “チキリン!”

     第4連。朝が来ると普通の家の子供たちは学校に行く。行けない少年の母に対する思いが語られる。母は売春婦なのだろう。Yira que te yira の下敷きになっているのは子供の遊びの鬼ごっこの掛け声 Corre que te pillo だろう。掛け声なので日本語にするのは難しいが、原詩の雰囲気は感じられる。少年は街角に立つ母親を見る。しかしそういう仕事をしている母親を見たくないという気持ち。脚韻は aprender, saber, ver と mira, yira
    朝になったら子供はみんな
    前掛け掛けて学校に
    だけどこの子に残るのは
    学べなかった数ばかり
    街角に立つ母を見る
    街角に立つ母を見る
    だけど見ないで目をそらす

    第5連。居酒屋のゴミ箱に毎朝捨てられているパンやスパゲッティ。これを拾って食べながら少年は旅立ちの夢を凧に託している。ir と irse の違いを思い出して置くこと。ir は何処かに向かって行くことだし、irse は今いる場所から立ち去ること。
    夜明けになるとゴミ箱に 残飯拾って夢を織る
    旅に出る夢 凧の夢 夢は叶わずここに居る

    短い第6連。niño de mil añosの解釈は“この少年のような境遇の子は、ずっと昔からいつもこの世にはいるものだ”というネイティヴの解釈に従う。
    それは不思議な男の子 昔から居る男の子
    凧糸もつれる胸の中

    1
    夜毎バチンの居酒屋で
    テーブル廻って薔薇を売る
    ジーンズ履いた小天使
    月が焼肉照らしても
    お前にあるのは焦げたパン
    2
    朝が来るのを嫌うから
    いつも目覚めは悲しくて
    1月6日のお祭りも
    無情の星に起こされる
    履いてる靴まで盗まれる
    右のも左のも盗まれる

    3
    “チキリン!”
    俺にお前の声を呉れ
    そしたら俺は街に出て
    花に隠して恥を売る
    俺を殴ってくれないか
    お前の持ってる3本の
    薔薇で殴ってくれないか
    俺が知らないお前の飢えを
    嘆くお前のその薔薇で
    “チキリン!”
    4
    朝になったら子供はみんな
    前掛け掛けて学校に
    だけどこの子に残るのは
    学べなかった数ばかり
    街角に立つ母を見る
    街角に立つ母を見る
    だけど見ないで目をそらす
    5
    夜明けになるとゴミ箱に
    残飯拾って夢を織る
    旅に出る夢 凧の夢
    夢は叶わずここに居る
    6
    それは不思議な男の子
    昔から居る男の子
    凧糸もつれる胸の中
    (この後第3連が繰り返して歌われることが多い)
    邦訳:大澤 寛

    匿名
    無効

    「Cicatrices」(傷跡)1925
    Letra : Enrique P. Maroni(1887-1957)                      
    Música : Adolfo Rafael Avilés (1898-1971)

    傷跡
    悲しい戦いの中で
    人生が 俺につけた痛手(きず)の
    消せない傷跡
    傷跡
    いつも 治る望みを
    切り刻むために
    もう決して閉じることのない傷跡

    俺はあの娘を 限りなく愛した
    だけどあの娘の愛は偽りだった
    俺の夢を 深い苦しさと
    悩みで満たした
    だから今 俺は運命と戦いながら
    俺の 苦しむ哀れな心のために
    ただ 死ぬことだけを求めている

    俺の顔には
    お前にとても関わりがあって
    俺が 運の悪さで連れて歩く
    思い出が一つ 威張って光っている

    思い出が一つ
    俺が 男として 恋敵と
    命をかけて戦った時に
    お前の名前で 残された思い出

    消せない傷跡
    運命が俺に呉れた
    決して俺から離れない
    酷い過去(むかし)の傷跡
    俺の人生の傷跡
    何の見どころも無いけれど
    俺は愛してやまない
    決して忘れない傷跡

    邦訳:大澤 寛

    匿名
    無効

    「Cobardía」 (弱気な男)1933
    Letra : Luis César Amadori (1902-77)
    Música : Charlo (1906-90)

    こんな 耐えがたく続く悩みに
    見会うほどの悪いことを 俺はしただろうか
    お前に口付けをしないと 俺は息が出来ない
    口付けをする時は お前の息を止めたいと思う
    これほど悩んで 俺は誇りを失くした
    だから お前に騙されてることが判っても構わない
    判らないか? 俺はお前が必要なんだ 会いたい
    いつものように言ってくれ 俺が好きだと言ってくれ

    判ってるぜ 嘘だ
    お前が言ってることは全部(みんな)嘘だ
    お前の人生では 
    俺は後悔の種に過ぎないのだから
    判ってる 辛いことが
    俺を殺さないために嘘をつくのが
    判っている だけどそれでも
    その嘘が無ければ 俺は生きて行けない

    昨夜のことだが ようやく判ったぜ
    お前がこの家の扉(ドアー)さえ見下しているのが
    俺はこの目で見た あいつがお前に口付けするのを
    聞いたぜ 二人がふざけ合って笑ってるのを
    だけどそれでも 判るだろう 俺が卑屈になって
    お前に聞くのが “今でも俺が好きか” と
    そして俺は 目を閉じて聞くんだ お前が誓うのを
    決して嘘はつかなかったと 俺を忘れないと

    邦訳:大澤 寛

    匿名
    無効

    「Como dos extraños」 (他人のような二人)
    Letra : José María Contursi (1911-72)
    Música : Pedro Laurenz (1902-72)

    俺が怯えたのは 孤独と
    お前から遠く離れて死ぬというとてつもない恐怖だった
    どれほど泣きたかったことか
    現実が俺の傍に寄って
    俺を嘲笑うのを知って
    俺の心は俺にせがんだ お前を探せと
    お前の愛が欲しいのだと
    心にずっとせがまれた俺は
    だからお前を探した
    お前に助けてもらえると思って

    そして今 お前と向き合っている
    なあ 判るだろう 二人は他人に見えるぜ!
    俺がようやく学んだ教訓だな
    歳月がどんなに物事を変えるかと言うことは!
    辛いことだな
    夢も 誓いも もう死んでしまったのが判るのは
    勘弁しろよ 俺が涙ぐんでも
    想い出は俺に悪戯(わるさ)をするんだ!

    日が陰って来たなあ
    お前が冷たく話すのを聞いていると
    俺たちの愛は そんなに違うものだったんだ
    全てが 全てが終わったことを
    確かめるのは辛い!
    お前に再た会ったのは 大きな間違いだった
    心が粉々に砕かれただけだ
    亡霊がぞろぞろ出て来るぜ
    他人(ひと)から嘲笑(からかわ)れながら
    失った過去の時間を取り戻そうとすると

    邦訳:大澤 寛
    Ref : Todotango “Las crónicas” El motivo que inspiró 「Como dos extraños」

15件の投稿を表示中 - 76 - 90件目 (全409件中)
  • このトピックに返信するにはログインが必要です。