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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「La calesita」 (回転木馬)1954
Letra : Cátulo Castillo (1906-75)
Música : Mariano Mores (1918-2016)

暗い小さな町角の 回転木馬が泣いている
昔は薔薇のようだった 物事が全部(みな)血を流す
喧嘩っ早い男たち 俺を愛した女の子
男らしくて一徹な 俺の心よりずっと
下町風なあのタンゴ
泣き続けているあのタンゴ
そしてまたあの町角で
泥沼のような苦しみで
回転木馬が呼吸(いき)をする

カランカンフン* もう一度踊るのだ
派手なステップを思い出すと
俺はあの若者に戻るのだ
めかし込んだお前のペチコートの中で
カランカンフンと お前に叫んだあの若者に 
踵の高い靴をはき
パンタロン姿で 昔流行ったステップで
お前の傍にいれば
何も無くても 俺の心は満ち足りていた
*carancanfún = carancanfunfa*タンゴの下町風の踊り それを上手く踊る人を指す仇名 El choclo の歌詞にも出て来る

回転木馬が叫んでる 長い不幸の物語
Balvaneraの家並みへ 二人の逢瀬(デート)の約束の
もう一度行こうよ アミーガ*      *古い女友達への呼びかけ “さあ姉ちゃん” という感じか
お前と踊り続けるために
行こうよ 古い町角が 
いつものように 俺を呼んでるから
行こうよ 俺たちを待ってるから
お前が古いスカートをはいていても
回転木馬を動かしているあの歌が

邦訳:大澤 寛