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「Igual que una sombra」(影のような)
Letra : Enrique Cadícamo (1900-99)
Música : Osvaldo Pugliese (1905-95)
一年が過ぎた今日 あの娘(こ)を見かけた
今日 私の心の傷とすれ違いながら
ミモザのような美しい 私の人形が歩いていた
他の男と一緒に 私の夢が歩いていた
私の人生のあの夢が
だけどあの娘(こ)の心は変わらない
いつも 私の愛の中にいるから
そして私の 星のない夜には
あの娘は私の 大きな悩み
あの娘は
思わずあの娘を呼ぶと
私の額を曇らせに来る影
私の過去(むかし)
私の現在(いま)
私は 私の心からその影を消せない
あの娘は 私が作る詩の中に
あの娘は 私の苦しみの中に
あの娘は 詩人である私の痛みの中に
タンゴの暗い根のように
私の心に生きている
そして再た 冬が来る
愛の無い私の暮らしには
待ちわびるあの娘の声は無く
あの娘の無垢な優しい言葉も聞けない
なんと虚しい私の暮らし!
だけど 同じことさ
いつも 私の愛の中にいるから
私の作る悲しい詩は あの娘のもの
苦しみのタンゴなのだ
邦訳:大澤 寛
Cuarteta : 各行が8音節の4行詩
=redondilla=4行詩 1行目と4行目、2行目と3行目がそれぞれ韻を踏む
Ternura : 2.甘い言葉
Nublar : 暗くする、覆い隠す、曇らせる 暗い影を投げる
Letra-D 所収の歌詞とtodotango のCaló + Iriarte の歌詞は微妙に違うところがある
Osvaldo Pugliese + Adrián Guido 1991年録音 EMI 好演
「La vi llegar」 と曲想が似ている?
Caló + Iriarte, Pugliese + Maciel が取り上げていることも