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無効
「Estrella」(エストレージャ 女性の名前)
Letra y música : Roberto Cassinelli (1921-95)+ Cholo Hernández (1923-?)
貧しい街区(まち)の 町角の
玄関の付いた或る家に
その頃住んでた女の子
皆が噂をしたものだ
来る夜も来る夜も その女の子
街区(まち)を離れて 出て行って
ブロンズ色の朝やけが
眠りと仕事を混ぜる頃
戻って来ていたものだった
あの女の子
皆が噂をしたものだ
いつも夜明けに帰って来るのを
皆は見かけたものだから
あの女の子
眼差しの 青い甘さの中に
苦い詩(ポエム)を秘(ひそ)めていた
エストレージャ 希望と忘却の
嘘とシャンパンの匂いをさせた
夜明けの空の下
エストレージャ
噂をした人たちは 誰もが皆
或る夜 あの子を思って泣いた
あの玄関のある家で
その時になって あの子のことを良く思い
同情する気持ちに包まれた
“あんな子” にした人生に
理由(わけ)を見つけることまでも
そして皆は 多かれ少なかれ打ち明けた
間違えて居たかも知れないと
そして 何時ものように街区(まち)全体が
その時になって 噂を止めた
邦訳:大澤 寛