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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「El vino triste」 (悲しい酒)
Letra : Manuel Romero (1891-1954)
Música : Juan D’Arienzo (1900-76)

友達(なかま)は言う 俺の酒は悲しい酒だと
俺はもう 酒に負けていると
強いラム酒にも 雄(おとこ)の味にも
もう耐えられない 怠け者だと
そうなのだ なにもかも死んでしまったし
グラスの底に沈めたいのだ 俺の恨みを
いつも俺は酔っている お前に逃げられて以来(から)
いつも俺は酔っている だけど辛いのだ

友達(なかま)よ 
皆 許してくれ 
俺が 世をすねて 陰気で 
すぐに泣くように見えるなら
俺も 気持ちを抑えたいのだが
つい抑えきれなくなる 男は皆そうだろう
友達(なかま)よ 
人間(ひと)は 心に苦しみがあるとき 酒が
辛いものに 泣き言を言わせるものになるのは
避けられないことだ 俺の唄が悲しく震えるように

友達(なかま)は言う 俺はもとの俺でないと
今は 飲めばすぐに黙ってしまうし
自分をペシミズムに追い込んでしまうと
もう長い間 俺が歌うのを聴かないと
あいつ等には判らないのだ 酒のせいではなくて 
俺が呼吸(いき)もできず 目も見えないことを 
心の傷が血を流していることを そして俺が
十字架を背負って 人生に立ち向かうことを

邦訳:大澤 寛