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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「El último café」(最後の珈琲)
Letra : Cátulo Castillo (1906-75)
Música : Héctor Stamponi (1916-97)
お前の想い出が風の中に蘇る
秋の日の午後に 戻って来る
私は氷雨が降るのを眺めながら
珈琲のスプーンを掻きまわす

あの最後の珈琲の想い出
あのとき お前は冷たく
ため息混じりの声で
注文した
お前に蔑まれたのを思い出す
理由(わけ)も無く お前を思い出す
居ないお前の声が聞こえる
“二人のことは終わったの”と
甘さと苦さの混じった別れを
告げた声が

珈琲みたいなものだな
愛することも 忘れることも
根拠(わけ)の無い恨みが生んだ
最後の目眩(めまい)も
そしてお前のつれなさに
私は立ったまま死んで行った
お前の虚栄心を推し量って
その時自分の孤独を知った
雨が降っていた 理由(わけ)も無く私はお前に
最後の珈琲をどうかと勧めた
邦訳:大澤 寛
Torbellino : つむじ風・旋風、 (物事の)めまぐるしい動き・混乱・喧騒、 
騒々しい人・落ち着きの無い人
Desdén : 軽蔑・侮蔑・蔑み、  al desdén さりげなく・わざと無造作に
Vértigo : めまい・眩み、 意識の混乱、 逆上・狂乱、 慌ただしさ・目まぐるしさ
Rencor : resentimiento, aversión, enemistad,
Hiel : 胆汁、 苦々しさ・不快・苦渋、 (pl)苦しみ・苦労・辛酸