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「El sueño del pibe」(サッカー少年の夢)
Letra : Reinaldo Yiso (1915-78) Música : Juan Puey (1903-95)
貧しい家の戸を叩く
郵便配達人の大きな声
胸弾ませて駈け出した男の子
思わず白い子犬を踏んづけた
母さん! 母さん!と叫ぶ声
不思議に思って洗濯場を出た母親に
泣き笑いしながら告げる男の子
クラブ(*1)から知らせて来たよ 今日面接だ!
ねえ 母さん 僕 お金稼ぐよ
バルドネド(*2)みたいになるよ
マルチノ(*3)やボジェー(*4)みたいになるよ
西アルヘンティーノ(*5)の連中が言うよ
僕があのベルナベー(*6)より沢山シュートを出すって
サッカー場で僕のゴールに皆が拍手する
母さんがそれを見る なんて素晴らしいんだろう
僕は勝つんだ
下のクラスで始めるけどすぐに一軍で 蹴るんだ
認められるのは分かってるんだ
その夜眠りについた男の子は
この上なく素晴らしい夢を見た
満員のスタジオ 華やかな日曜日
とうとう一軍でプレーしている
試合は零対零で 残り時間は1分
ボールを取った 落ち着いて動く
ドリブルで皆をかわした
相手キーパーに立ち向かう
強いキック! 勝った!
(*1) 入団したいサッカーのクラブ
(*2,3,4) 1930=40年代のサッカーの有名選手の名前。 *3のマルティーノ(Rinaldo Fioramonte Martino) はタンゴを愛し、引退後は有名な ”Caño 14” の共同経営者になった)
(*5)クラブの名前
(*6)これも有名選手の名前
邦訳:大澤 寛