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「El carillón de la Merced」 (メルセー寺院の鐘)
Letra : Enrique Santos Discépolo +Alfredo Le Pera (1904-35)
Música : Enrique Santos Discépolo (1901-51)
どんな不思議な理由(わけ)なのか
メルセー寺院にある
サンティアゴの鐘よ
お前の変わらぬ音(ね)の中に
私は気付いた
私のさすらいの声に
癒されぬ旅人の
忘れたがっている声に
嘆きが齎(もたら)してくれた
旅するものの奇跡
お前の歌は 私に似て
生きることに疲れて
何処で死ぬかも知らずに
流れて行く
お前は 私の心の秘密に
入り込んだ
お前の音を聴きながら
私は思わずあの娘(こ)の名を呼んだのだから
こうして今 お前には判るだろう
誰だったのか 私の何だったのか
私が泣きながら探していて
見付けられないものが
私の古い身の上話を
鐘よ お前に置いて行こう
お前が鳴る時 そこに残される
そして 私が再た立ち去るときは
お前の思いを連れて行こう
別れの言葉にして
邦訳:大澤 寛