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「Cuatro líneas para el cielo」(天国への短い手紙)
Letra : Reinaldo Yiso (1915-78)
Música : Artulo Gallucci (1909-78)
小さい男の子の手を引っ張って
交番にやって来た男は呆れ顔で
お巡りに言った “世も末ですぜ”
“七歳(ななつ)にもなってなくて もう泥棒だ”
悲しげに泣いている男の子に
お巡りは訊いた “何を盗んだ?”
“糸玉ですよ” とその男
“こんな悪ガキどもはしょっ引いて
貰わにゃあ”
“お巡りさん そうなんです
確かに僕は盗みました
ほんのちょっとだけ 足りなかったんです
この凧で 昨日ママが行ってしまった
あの青い空まで届かせるのに、、、”
“この凧に 手紙がくくりつけてあるでしょう?
糸が足りなかったんで 探しに行ったんです
そして 何て言ったらいいのかな
何も考えないで手を出したんです
そしたらこの小父さんに見つかりました
その通りです お巡りさん
だから僕は 泥棒です”
もし僕が 刑務所に入れられたら
母さんも 決して届かないこの手紙も
可哀そうだなあ この手紙に書いたんだ
“何故母さんは 僕とパパだけ残して
そんな遠くに行っちゃったんだって”
お巡りは 黙ってその子を抱きしめた
男は半分泣きながら 糸玉を手に握らせて
“届くぞ 今度は! お前の手紙は届く!”
邦訳:大澤 寛