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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「Cuando era mía mi vieja」(お袋の居た頃)
Letra : Juan Bernardo Tiggi (1911-78)
Música : Pascual Mamone (1927-)

小母さん 放っといてくれよ
そんなに胡散臭そうに俺を見ないで
お宅の前で 長いこと立ち止まってるからって

あんたを見てると 俺には
その飾り格子の中に 俺のお袋が居るように見える
この家は俺の家だったんだよ
お袋が俺のものだった頃は

町も変わるなあ
俺は今 遠いところから戻って来てみると
この町で たったひとつ変わってないのは
俺のお袋のこの家なんだ
鉄の格子戸さえも その中から
お袋が話しかけて来るような気がする
あんたには胡散臭そうに見られ お宅の犬は
俺を追っ払おうと吠える

あんたには胡散臭そうに見られ お宅の犬は
俺を追っ払おうと吠える

小母さん 判ってくれよ
この町では 今じゃ俺は他所者だよ
だけど あの頃はこの町に住んでた
とても昔のことだけど
あの頃は お袋が家に居て
ここの家は全部 俺のものだったんだ
何故ならお袋は 俺のものだったんだから 

邦訳:大澤 寛
長い放浪から故郷の町に戻ってきた男。親たちと暮らした家は他人のものになっている。母親の姿はもちろん無い。このテーマもまたタンゴには多い。「San José de Flores」など。