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「Con alma y vida」(身も心も)
Letra : Héctor Marcó (1906-87)
Música : Carlos Di Sarli (1903-60)
皆さん 連れてきましたよ
夜と月の衣装をつけた
この美人(べっぴん)を通してください
苦いマテ茶よりも生粋のミロンガです
あの娘の唄に夢を見て
母の白髪を思い出し
私は旗を揚げましょう
あの両の眼の蒼い隈
そこに心を埋めるのです
なんと心地よいことでしょう
あの娘を愛し 感じ取り 唇付けするのは
そして 裏切りの無い唇付けと 心も命も
求めるあの口から洩れる 優しい声を聴くのは
なんて綺麗なのでしょう ちゃきちゃきの私の下町娘(注1)は
なんて素敵なのでしょう 愛することは
皆さん お通りですよ 私の貴婦人が
夜明けのように爽やかな
その姿を見逃さないで下さい
あの娘が気取って歩くとき
私のギターが笑ったり泣いたりするのです
マルティン・フィエロ(注2)のミロンガは
私の街の紋章です
唄うにつれ 愛するにつれ
靴音立てて街を歩くとき
私はあの娘の腕の中で生きるのです
邦訳:大澤 寛
(注1)criollo, criolla “ラテンアメリカ生まれの男・女”さらに“生粋の・ちゃきちゃきの”アルゼンチン人とかウルグアイ人という使い方をする。 地元の娘、“下町娘”と訳しておいた。
(注2)José Hernández (1834-86) のガウチョを描いた作品と同名の主人公