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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
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「Campo afuera」(平原の彼方へ)
Letra : Homero Manzi (1907-51)                   
Música : Rodolfo Biagi (1906-69)

判ってる 私を忘れてしまったね
判ってる 遠くへ行ってしまったね
判ってる もう私はお説教してお前を引き戻そうとはしないよ
判ってる 唯一つの運命は 全ての柵を開けて平原の彼方へ
駈け出すことだけなのだよ 忘れるために

判るだろう
お前の眼が 私を騙して悲しませているのを
判るだろう
お前の孤独を耕して 私が収穫したものは悩みだ
判らない
私から遠く離れて お前は後悔しているだろうか
判らない
だけど お終いには私を思って泣くだろうと思う

お前に忘れられたのだと 気が付いたとき
お前が居なくなったと 分かったとき
お前を私の人生に 夢の革ひもで縛りつけたかったよ
お前が他人で 私の道連れではないことを知ったとき
私は平原の彼方へ向かおうとした 愛を欺くために

「お前なんか忘れた」と
大声で触れ回ったりはしたくない
判ってる
眼に見えない恨みのように お前が私の傍に居ることを
だけど もし昔を思い出すという罰があるなら
背負わねばならないその罰は 二人して受けよう

邦訳:大澤 寛

Homero Manzi の美しい詩。最終節の「お前なんか忘れたと 大声で触れまわったりはしたくない」と言う気分は「Que nadie sepa mi sufrir」(知られたくない私の悩み)等にも出て来る。