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「Bien frappé」
Letra : Héctor Marcó (1906-87)
Música : Carlos Di Sarli (1903-60)
なあ ボーイさんよ 持って来て注いでくれよ
caña* の強いのでも grappa* でも ウイスキーの
上手くフラッペにしたやつでも
こんな悩みを消し飛ばすためにな
焦々して 喉が渇いて
俺の血管を詰まらせる悩みを
そして 俺が思い出に取り憑かれても
あんたは構わずに
俺のために思い出を殺してくれよ
グラスが一杯になって
毒で覆われるまで注いでくれよ
俺みたいな毒でな
*caña 南米で砂糖黍から作った安い蒸留酒のこと
*grappa イタリア語 スペイン語ではgrapa 南米で一般的に安ものの蒸留酒のことをいう
思い出の害悪(わるさ)を根こそぎにするために
俺はアルコール漬けになりたい
弱気な愛が
心を捉えて
俺の太陽を消すから
そして 飲んで飲んで
俺が正気を無くしても
俺のグラスにずっと注いでくれよ
それほど俺の愛の渇きは
深くて 狂ってるのだから
なあ ボーイさんよ 持って来て注いでくれよ
caña の強いのでも grappa でも
苦しむためのウイスキーでも
20年の付き合いの思い出の太陽が
俺を騙して 焼き焦がしたのだから
俺の人生も 俺の愛も
嘘を付く 薔薇色をした
思い出の唇の中で
俺は苦い苦しみに酔ったのだから
そして今 思い出は消えない
俺は忘れたくて ウイスキーが欲しい
上手くフラッペにしたやつを
邦訳:大澤 寛