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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「Ando pato」 (俺は文無し)
Letra : Eugenio Cárdenas (1891-1952) Música :Juan Maglio “Pacho” (1880-1934)

今日俺は 
惨めさの泥にまみれて
Barrancaを降って行く
仲間は俺から離れて行った
あいつらは知ってるんだ
俺が別の生き方をしていることを
あんな馬鹿なやつらには判ってない
俺は文無しでも
それほど惨めではないことを
ちゃんと生きていることを
不良っぽい恋愛騒ぎなしで
食べるものさえあれば

あんな奴らが沢山いる 街角を通って
気の抜けたcorte を踊り歩いて
通りがかる女たちを眺めながら 金の話をする
そいつらに向かって醜(ブス)な女が口笛を鳴らす
こんな連中には判っていない
俺はそんな馬鹿な見せびらかしはしないぜ
そんな連中のことは俺にはよく判ってるけど 放って置くさ
そいつらの夢が膨らむのは

笑っちゃうぜ あの競馬狂の連中には
俺が文無しだと
馬鹿にしやがる
あいつらは忘れているんだ 救世鍋には
俺が一番に駆け付けて
あいつらを助けたことを
今日あいつらは俺に “文無し” と叫ぶ
やくざなのか ド貧乏ものか
間抜けなのか 馬鹿なのか
俺は1ヵ月(ひとつき)働けば とても楽しく暮らせるんだ
食べ物と 煙草と 寝る場所はある                            邦訳:大澤 寛