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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「Amor de payaso」 (1931 ?)(道化師の恋)
Letra y Música : Antonio Sureda (1904-51)

哀れな道化よ 笑いなよ 作り笑いをみせながら
見ろよ お客は料金(かね)払い 笑いたくって来てるのだ
お前の心はばらばらに あとで楽屋で泣いたって
誰も気になどしないのだ
可笑しな色を塗りたくられて お前の顔は照(ひか)ってる
見ろよ お客は待ちくたびれて 舞台もお前を呼んでいる
哀れな道化よ 泣くんじゃないぞ
判るだろう お前が泣くのはみっともない

そして楽屋で あの道化
とうとう想いを吐き出した 辛いみじめな胸の内
胸は悩みで塞がれて そして再た読むあの手紙
あの娘が書いた白い紙 

“私の道化よ さようなら もう愛してはおりません
私は 私の愛を連れて 安らぎを求めて立ち去ります”

読み終えて 涙がふた筋 頬を伝う
笑おうとする顰め面 膝まづいては祈りを捧げ
実らなかった恋の相手の 写真を傍に引きよせて
仲間は古いトランクだけか 腰を下ろして鏡に向かい
道化は気持ちを取り直す
そしてその夜のサーカスは 愛を求めた道化のために
悲しい嘆きを泣いたのだ

邦訳:大澤 寛

この曲と同様にpayaso (道化師・ピエロ)を歌ったものには「Alma de payaso」(道化師の心)「Ríe, payaso」(笑えよ、道化)などがある。