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「Vamos, che」(さあ 行こうぜ)
Letra :Alberto Peyrano
Música :Carlos Buedo
Vamos, ¡che!. No te detengas. さあ 行こう 愚図愚図すんなよ
El porqué ya te lo he dicho. 理由(わけ)はもうお前に言ったろう
Vale más cualquier bachicha* どんな移民の屑でも
que esa mujer que te engañó. お前を騙したあの女よりマシなんだ
Vamos, ¡che! No te detengas. さあ 行こう 愚図愚図すんなよ
¿No miras? No vale nada. 判らんのか あの女は屑なんだ
Déjala, que ella comprenda que あいつなんか放っとけ そしたら
para ti no existirá jamás. あいつもお前に捨てられたと判るだろう
邦訳:大澤 寛
*は歌詞の聞き取り難いところ箇所。*bachicha なのか machicha なのか。ここでは複数のルンファルドの辞書に項目として掲載されているbachicha を採用する。意味は1.イタリア人 2.小柄で太った人 3.さらに馬鹿(= tonto)の意味にも使われる。
またルンファルドのmacha には酔っ払い(=borracho)の意があり、machicha にはこれとの関連も考えられる。いずれにせよ bachicha はイタリア系の移民を悪く言うときに用いられたとされる。
さらに当時は移民の男女比では圧倒的に女性が少なかったことから、ブスなのに鼻持ちならないのもいた筈で、この歌詞は「あんな女は諦めろ・手を引け」という内容で使われているのではないか。
余談。日本の流行歌なら、ディック・ミネの“おい、もうよせよ”で始まる「雨の酒場で」を思い出す。