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「Trasnochando」(夜更かし)
Letra : Santiago Adamini (1895-1969)
Música : Armando Baliotti (1907-82)
何が起きるか考えず
どこへ行くのか知りもせぬ
*放蕩ものはみな同じ
夜更かししながら断った
よき友よ お前の忠告を
*calavera : (男性名詞として)“放蕩者”、“道楽者”
まるで敵(かたき)であるかのような
俺とお前の仲だった
お前が真実を告げるから
何時も最高の仲間たち
踊りと遊びの仲間たち
それだけではないものがある
そんな仲間と来る夜毎
酒と踊りと馬鹿騒ぎ
過ぎゆくこの世を費い捨て
お前の知ってるあの女
夜更かししながら知りあった
昨夜お前に語ったことを
繰り返すのは嫌だけど
俺は全てを失くしてしまい
あいつのことで残るのは
それそこにある写真だけ
俺はもう見たくもない写真
お前にゃ全て判るだろ
明日お前が来たときに
捨てるか破るか納っておくか
お前の好きにやってくれ
俺にはどうでもいいことだ
見たくもないしあいつのことは
考えることもしたくない
俺の眠れぬ夜な夜なに
俺の悩みを癒すべく
届くはお前の慰めばかり
それに応える術もなく
敗れた俺は今はもう
探し求める忘却だけを
俺の終わらぬ夜更かしに
来た径を引き返すにはもう遅い
過ぎゆく俺の人生の
運命(さだめ)に従わねばならぬ
だけど何時でもお前には
感謝の思いを募らせる
判ってくれよ 我がよき友よ
俺の不幸は癒されぬ
邦訳:大澤 寛