ホーム › フォーラム › 資料掲示板 › 大澤寛のタンゴ訳詞集 › 返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集
「Tal vez será mi alcohol」 (Tal vez será su voz) (多分私の酔いのせい)
Letra : Homero Manzi (1907-51)
Música : Sebastián Piana (1903-94)
(部分的に異なる歌詞が幾つかある。 ここではLibertad Lamarque が Mario Maurano の orquesta で 25/06/43 に唄っている version を使用する。 第3連の3-4行は他の歌手の歌うものと大幅に異なる。Lamarqueが歌うのだから当然女唄になっていて、彼女が唄いかけている相手は男性。従って関連の形容詞も代名詞も男性形になっている。 注(5)は当時の当局の検閲を避けた典型的な例だろう)
タンゴ*(1)が聴こえ 灯りはあり余るほど *(1) el fueye を el tango と唄っている
フロアーには夜が来て 影は嫌々ながら片隅へ隠れる
グリセタを マレナを マリエステルを呼びながら
タンゴがフロアーに連れ出した影は 私にも呼べという
踊りましょう 私のサテンの衣装が煌いているのに*(2) *(2) con el brillo de su traje de satén を
ぼんやり夢だけ見ているのは辛いから mientras brilla mi traje de satén
バイオリンは誰の悩み? 悩むのに疲れて
こんなすすり泣きに変わるのは誰の甘い声?
多分それは貴方の声 いつか不意に消えてしまったあの声
多分私の酔いのせい 多分 貴方の声であるはずは無い
貴方の声はもう眠りについた
私の酔い*(3)が生んだ幽霊に過ぎない *(3) del alcohol を mi alcohol
貴方の顔が蒼く遠くに*(4) *(4) vos が tú pálida が pálido lejana が lejano
髪は黒く 目は灰緑色
やさしくあの手は過ぎ去って*(5) *(5) 大きく変わっている箇所:Y también era su boca entre la luz
あのバイオリンの唄のように del alba una triste flor de carmín が Irán suave sus manos y dirán
貴方の悲しい詩を読むだろう su verso triste como el canto de ese violín
貴方は或る日帰って来なかった 待ち続けた私
そして本当のこと*(6)が知らされた *(6) su final が la verdad
だから私はタンゴの影を連れて
空しく貴方*(7)への想いを募らせる *(7) la が lo
邦訳:大澤 寛