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匿名
無効

「Sin barco y sin amor」 (俺には船も恋もない)
Letra : Enrique Lary (n/d-1970)                       
Música : Erma Suárez de Varela (n/d)

波止場 狭い通り 昔のパリ
赤い灯 船乗り 小さな居酒屋
女たち どのテーブルでも恋の囁き
そして俺は飲む いつものように隠れて
何処に 俺は何処に居る あの女のせいで
悲しみに沈む俺は テーブルの染みだ
寄りかかって悩んで 俺の歌を歌う

船乗りの歌
港港に恋ひとつ
歌おうぜ 飲もうぜ
郷愁にかられて
明日 俺たちは船出する
海に向かう 別の土地に向かう
俺は船乗り
俺には 船も恋もない

故郷(くに)に帰る気も
あいつを探す気もない
何のために探す 悩むだけだ
来なよ ナナー* 俺の腕をとってくれ *Naná は女性の名前
暫らく一緒に居たいのだ 古傷を忘れたい
唇付けはもういいよ 飲もうじゃないか
あいつだ 俺のグラスにあいつが居る 見えないか
そして お前のグラスには 俺の船がある
泣くから 放っといてくれ

邦訳:大澤 寛

Borrón : インクの染みや滲み、  汚点・傷・不名誉、  下手な文章・なぐり書き
Tirado/a : (ス)堕落した男・女の意あり