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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「No me escribas」 (俺に手紙はよこすなよ)
Letra : Juan Andrés Caruso (1890-1931)
Música : Agustín Bardi (1884-41)

俺に手紙を呉れるなよ お前のことは知りたくない
怖いんだ とても怖いんだ お前の手紙で惨めになるのが
いつかお前は言うだろう 俺のことなど忘れたと
お前の唇付けも愛撫も 他の男のものになったと
お前には判らんだろう お前が居なくなってから 俺がどれほど悩んだか
お前が居なくなり 俺が独りになった時
怒り嘆いて 何をしたかも覚えていない
そしてあの夜 悲しみ悩んで酔い痴れた

あれからずっと俺は お前の思い出を消そうと
俺の胸からお前を引き抜こうと この激しい愛を殺そうとして来たんだ
だけど無駄だった お前を忘れようとすればするほど
お前は 釘*みたいに俺の哀れな心に突き刺さった *grampa = grapa ホッチキスの針 (ラ米)安ものの蒸留酒
俺は お前の写真を部屋の壁いっぱいに張り付けている
そして あの頃呉れたお前の手紙を残してある
そこではお前は俺の愛を決して忘れないと言ってるから

俺に手紙を呉れるなよ お前のことは知りたくない
怖いんだ とても怖いんだ お前の手紙で惨めになるのが
いつかお前は言うだろう 俺のことなど忘れたと
お前の唇付けも愛撫も 他の男のものになったと
昨日の午後 お前の思い出に浸って
ひどく悲しんでいたら 手紙が一通届いた
それがお前からだと判った時 読むのが怖くなって
震えながら 開けずに破った

邦訳:大澤 寛