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「Niebla del Riachuelo」 (リアチュエロ河の霧)1937
Letra : Enrique Cadícamo (1900-99)
Música : Juan Carlos Cobián (1896-1953)
濁った水の船着き場 そこには船が辿り着く
繋がれて もう永久に 船出することのない
悲しみの夜に拡がる影になって!
心を失くして 世間を避ける難破船
波止場の橋にも索具にも そこには風が泣きに来る
もう決して船出することのない石炭運びの船
そこは怖ろしい船の墓場 やがて死ぬ船たちが
それでも夢を見る 海に向かって船出する夢を
リアチュエロの霧よ!
思い出に繋がれて
俺は待ち続ける、、、
リアチュエロの霧よ!
お前が俺から遠ざける
あの愛を いつまでも
あの娘(こ)は二度と帰らなかった
俺は二度とあの娘を見なかった
青の娘が二度と俺の傍で俺の名を呼ぶことはなかった
…“さよなら!”と言ったあの声で…
船乗りは夢を見る お前に浮かぶ二本マストのブリガンティンの夢を
静かな酒場でお前の郷愁(ノスタルジア)を飲み干している
港に雨が降る 俺の歌がゆっくりと お前の悲しみに降りかかるとき
もう決して 決して巻き挙げられることのない錨
もやい綱のない大きなランチの船側
行く先も夢も無い 悲しい船隊
“安酒場の瓶” に閉じ込められた船のような
邦訳:大澤 寛