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「Milonga triste」 (悲しみのミロンガ)
Letra : homero Manzi (1907-51) Música : Sebastián Piana (1903-94)
いつも小道を辿(や)って来た
髪をほどいたエプロン姿
黒い瞳が輝いていた
満月の灯りに照らされて
俺はお前を傷つけた
うぶなお前に唇付けをして
罰でお前に打(ぶ)たれたが
より痛むのはお前が居ないこと
戻ったわ 白い道を通って
戻ったわ 辿り着けないけど
叫んだわ 長い叫びを
歌ったわ 歌えないのに
黒い瞳が閉じられて
お前の顔は色を失くし
鐘の音が聞こえても
二人は黙り続けた
月は海に沈み
悲しみが俺の胸を打つ
沢山のギターの絃で
俺は後悔を紡いだ
戻ったわ 古い道を通って
戻ったわ 辿り着けないけど
叫んだわ 居ないあなたの名前を
祈ったわ 祈れないのに
悲しみは 恥じらうお前を
小道で愛したこと
悲しみは それ以後(から)小道がお前を
見ることがなかったこと
墓地の静寂
星たちの孤独
こんなにも痛む想い出
エプロン姿と三つ編みの
戻ったわ もう無い道を通って
戻ったわ 辿り着けないで
叫んだわ あなたの優しい名前を
泣いたわ 泣けないのに
邦訳:大澤 寛