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「Mi refugio」 (俺の隠れ家)
Letra :Pedro Numa Córdoba (1897-1964)
Música : Juan Carlos Cobián (1896-1953)
もう終わった 俺の青春のとろけるような
甘い魅力の馬鹿騒ぎは
もう終わった 決して戻ってはこ来ない
あの狂ったような夜遊びは
俺はもう 何にでも笑い声をあげた
あの陽気な若者じゃない
俺は行く道を決めたんだ 父親になるって
子供を作って* “良い人” になるって
*A comprar nenes の解釈はこれでいいだろうか? ネイティヴにも難解だと。
やっていたさ
心の底から
愛と喜びで
愛することへの渇望(かわき)に乾杯することを
いつも俺は
品があって 気前が良かった
そして俺の派手なボヘミアン生活(くらし)には
喜びにも不快感(げんめつ)があった
悩みと共に快楽(たのしみ)の味を知った
今の俺は 充分に転げ回った石ころなんだから
優しい家庭の暖かさを求めるのさ
美しい
俺の愛の隠れ家
綺麗な花に囲まれて
そこには愛が震える
いつも俺は
お前に守られて
老いることを防いで貰い
悩みには 甘い慰めを求める
お前の匂い立つユリの香には
太陽のように清らかな女性の
美しく 無垢な 善良な心がある
俺は今では大人で真面目だ
コートも上着も着込んで
他人(ひと)は皆 俺のことを“さん” 付けで呼ぶ
昔の俺がどんなだったか考えると怖い
俺は歳を取り始めているんだ
逸る気持ちは抑えねばならない
品のある 健全な生活(くらし)をするために
俺の愛の 夢の隠れ家で
邦訳:大澤 寛
タンゴには、数は少ないがこういう内容の歌がある。放蕩者だった男が心を入れ替えて家庭を持つ決心をするというもの。同じ味わいのものに 「Prisionero」 (「囚われ人」 詩Francisco García Giménez 曲Anselmo Aieta)がある。
Correría : 2.短い旅・小旅行、 歩き回ること・徘徊 correrías nocturnas :夜遊び
Rumbear : 1.ルンバを踊る 2.どんちゃん騒ぎをする・遊び歩く 3.進む・進路を取る
Idolatría : 1.偶像崇拝 2.盲信、心酔、溺愛、偏愛
Canto : 5.石ころ・円石
Reparo : 1.不賛成・異議 2.遠慮・躊躇い・気おくれ 3. 修理・修繕、防御 .
Lenitivo : 1.鎮痛剤・鎮静剤 2.(文語)苦痛を和らげるもの
Espanto : (突然の激しい)恐怖、 (脅迫による)怯え、パニック状態