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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
無効

「Menta y cedrón」(1945)(ハッカとセドロン)
Letra : Armando Juan Tagini (1906-62)
Música : Oscar Arona (1908-n/d)

cedrón は “香水木” とか “防臭木” と訳される香気を発する木で、その小片を引き出しとか衣装棚に入れる。
またハーブの一種で胃薬として用いられるものの名前。

夜は友達 俺を街へ連れて行った
何時か覚えた踊りのタンゴ
決して会えないタンゴを追って
胸騒ぐ巡礼の旅へ
水溜め 鉄のドア 上品な入口のあるあの中庭が
子供の頃の俺に 土地の*匂いをくれたものだ             *criolloはここでは”その土地の””地場の”
ハッカとセドロンの

俺は探す 昔のタンゴを!
何処に居る?
どのバンドネオンに隠れている?
何処に居る? 忘れられない あの
心に響く 磨き抜かれた 愛しいリズム
何処にある? 昔の踊りは
葡萄棚の下で ギターの数々の音色で
私たちに生きることと 夢を見ることを教えてくれた

俺は 俺の時代(ころ)のタンゴを聴く
今はもう無い塀の向こうに
そして思い出す 空き地と 
セロファンみたいな空があった街区(まち)を
そして 木蓮のある中庭を通り抜けると
俺の心に拡がる あの娘(こ)の消えない思い出と
あの匂い ハッカとセドロンの

心に残る懐かしさ
木蓮と ハッカと セドロン!

邦訳:大澤 寛