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匿名
無効

「Martirio」(受難)1940
Letra y música : Enrique Santos Discépolo (1901-51)

孤独だ
信じられないほど孤独だ
俺は お前を待つというドラマを生きている
今日も
明日も
いつも同じことだ
肉に噛みつく苦しみ
叫び出させる傷
お前を忘れられない恥
俺には判る お前が来ないことは
孤独だ
恐ろしいほど孤独だ
どうしてるんだろう 死んで行く人たちは
悩む人たちは
愛する人たちは
俺はこうやって、、、無慈悲なお前のせいで

判ることではない
何故お前を愛するのか
神は どんな罪で俺を罰するのか
お前が お前であるという恐怖に
お前だけだ
ただ お前だけ
この世でお前の他には誰も居ない
俺が欲しいのは
そして 笑いと嘲りの中で
俺は俺の愛を引き摺って行くのだ
お前を呼びながら


呪われた情熱*の    *キリストの受難は大文字でPasión これに引っ掛けたタイトル (martirio = 受難) なのだろう
人が別の世から運んで来て
死ぬまでそれに悩む
彷徨う愚か者の苦しみ
刃から逃れようとする

俺はのたうちまわる お前に受けた打撃から
立ち直る術もなく
孤独だ
残酷なほどに孤独だ
俺の心がお前の裏切りに向かって
叫んでいる
お前の不在という裏切りに
今日も、、、明日も
いつも同じことだ

邦訳:大澤 寛