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「Lo han visto con otra」 (誰かさんと一緒だったぜ)
Letra y música : Horacio Pettorossi (1896-1960)
彼氏が他の女と一緒だったよって
昼ごろそう言われたな そう他の女と居たんだよ
あんたは彼を愛してなかった 高慢ちきな振りをしてさ
今になって 本気で愛してたなんて言ってもなあ
判るだろう あんた あんたは何時も態度悪かったんだ
昨日だって 気の毒な彼氏のことを嘲笑ってたじゃないか
だけど今日 あんたは仲間からはっきり言われたんだぞ
彼氏が他の女と一緒だったよって あんたは苦しんで泣くんだ
タンゴよ あの娘(こ)の愛の忠実な友だったタンゴ
タンゴよ 今お前の助けが要るんだ あの娘の悩みを和らげてやるのに
タンゴよ お前は何処にでも現れるけど タンゴよ 今夜こそ
あの娘の家の格子戸に 悲しいバンドネオンの嘆きを
響かせてやってくれよ
俺も心の奥に
悪い女を忘れられない悩みを抱えている
そいつのとても黒い瞳が 俺の心を奪い
俺は秘かに悩むのだ 泣くことも出来ずに
判るだろう 俺にも愉しみなんかない
だから あんたが嘆くのを見るのが辛いんだ
俺も 悲しくて寒い夜には
時間ばかり長くて 眠れないんだ
邦訳:大澤 寛
Ref : 「La he visto con otro」 (1926)
Letra : Pascual Contursi Música : Antonio Scatasso