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返信先: 大澤寛のタンゴ訳詞集

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匿名
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「Esta noche de copas」(盃を重ねる今宵)(1958)
Letra : José María Contursi (1922-72)
Música : Juan Carlos Howard (1912-86)
盃(グラス)を重ねる今宵は 仲間(とも)よ
俺は泣き出したくなるのだよ
俺の悩みに咬みついて
この場で俺を傷(いた)ぶるタンゴ
アルコールでは逃げられぬ
あの娘(こ)の瞳(め)からも 孤独(さびしさ)からも
盃を重ねる今宵は 仲間よ
泣き出したくて ぼんやりしている

俺を咎めているのだよ
過ぎてしまった物事と
門辺で俺に憐れみ請うた
あの娘の声が一緒になって
俺は知らなかったのだ
歳月(とし)が流れて過ぎた後も
俺の過ちに気が付く術(すべ)を
そして今 俺はあの娘が懐かしい
この上もなく懐かしい
誓うぜ
俺は あの娘を探しに行くのだ
狂ったもののようになって
少しずつ* わが身をすり減らしながら *de a poco : (中南米)=poco a poco, lentamente少しずつ・ゆっくりと
あの娘に巡り会うまでは

仲間(きみ)たちの夜を 苦いものにしたくはない
だけど 何もかもが俺より強い
何百本の短剣が 俺の愛*と心の傷を                  *sentimiento : (複数形で)愛情・恋心
切り裂くのだ
あの娘は 俺の暮らしに安らぎをくれた
あの娘の愛は どれほど沢山の物事を俺に教えてくれたことか
あの娘の傍に戻れたら 
その瞳に口付けが出来たら
許しを請うことが出来たらと思う                            邦訳:大澤 寛