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匿名
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「Descorazonado」 (失望の果てに)
Letra : Marvil (1902-76)
Música : Óscar Herrero (1921-99)

(失恋の苦しみに耐えた男が、別の男にその苦しみとそこから生まれる新しい愛・新しい人生を語っているもの)

俺たちは 人生で幾度(どれだけ)苦い苦しみを味わうことか
お前が死なないように元気づけるだけの力しか無くて
何もかもが 一番愛する人さえも 俺たちを拒む時
共に悩む友が居ることだけが慰めなのだ
人生で あれほど夢見た夜に
あの女は もう俺への愛は死んだと叫んだ
俺は怒って あいつの家のドアを叩き 絶望しながらあいつの名を呼んだ
俺が生きる理由の全てが そこにあったのだから

失望の果てに
壊れた世界が 俺の足元を転がるのを見る
そんな絶望の中に居て
別の愛の幸せを思うことなど 出来はしない
失望の果てに
死のうとして 俺は街を彷徨(うろつい)た
そして苦しい時が全て過ぎ去った今は
生きることに値打ちはあると お前に言える

もう 他人(ひと)も世間も信じられなくなった時に
俺には何もかもが あれほど悲しくて暗かった時に
俺に沁みついたこの苦しみが 鉤爪のように突き刺さった時に
俺の暮らしに別の愛が生まれた 今は再た笑うことも出来るさ
だから 何時か或る日 お前が幻滅を感じて
気持ちが鬱いでいると思ったら 悩みがお前を笑わせてくれるさ
忘れるなよ 俺も或る晩 絶望にかられて
死ぬための片隅にしか 安らぎを見付けられずにいたことをな

邦訳:大澤 寛