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「De mi barrio」 (私の町)
Letra y música : Roberto Emilio Goyeneche (1898-1925)
私は町で一番綺麗な女の子だったわ
通っていたのは尼さん学校で
親にはお金がなかったけれど
私は金持ちと付き合った
そんな付き合いのせいで
金持ちになることだけが私の夢だった
自分の育ちのことなど全く忘れて
大金持ちの男に心を奪われたの
その男の風采(みてくれ)と 品の良いあしらいと
私の耳に囁いた嘘の数々に騙されて
そんな真っ当な 教育のある男が
悪い人だとは思わなかったの
だけど そいつは悪い奴で
正式に結婚すると約束して 私を唆(そそのか)したの
そいつの傍で暮すようにと
私に家を捨てさせたの
そんな風にして 私の人生は
タンゴと キャバレーのシャンパンの間に堕ちて行って
私の嘆きは笑いに混じり合うの
嘆きを笑い飛ばすことに慣れたから
そして 私の愛を金で買おうとする
馬鹿な男を見つけたら
そいつを一文無しにしてやるのさ 見せしめのために
私を苦しめた男の分も払わせてやるのさ
今日も私はタンゴを踊る ミロンガの常連だわ
人からは狂ってると言われるけど それがどうしたの
私は泥沼の花 何処にでもいる売春婦だわ
それは私を騙した男のせいよ
色とりどりのキャバレーの灯りと さんざめきの中で
優しさを売るの 愛を売るの
去(い)ってしまったあいつを忘れるために 邦訳:大澤 寛
作詞・作曲は同名の歌手”El Polaco” Goyenecheの伯父(1898-1925)。作品に「De mi barrio」「Yo te perdono」「Sin amor」など。