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「Cotorrita de la suerte」 (オウムのお告げ)
Letra : José De Grandis(1888-1932) Música : Alfredo De Franco (1909-n/d)

cotorra がオウム、インコのことでcotorritaはその縮小辞・愛称。
cotorrita de la suerte : 名曲 「Organito de la tarde」 に歌われる手回しオルガンが町角を流して歩いた時代(1800年代の末頃から)に、そのオルガン弾きが収入を増やす工夫として、客の求めに応じてよく飼い慣らしたオウムに御神籤のようなカードを箱から咥え出させたもの。女性の客には赤い色のカードを、男性客には青色のカードを渡した。カードには 「間も無く運命の人に巡り合う」 とか 「金髪の女の子が秘かに貴方を慕っている」 とか 「宝くじに当たる」などの予言が書かれていた。
(Diccionario del lunfardo p-346&347から)

働き者の女の子 夜にあんなに咳をする
咳こんで 悪い予感に怯えてる
命が残り少ないと 
若く優しい心から その苦しみは離れない
働き者の女の子 ふざけてはしゃぐ女の子
だから明るい家の中
長いこと 苦しみながら生きている
自分の悲しい運命に 出口が無いのを知っている

呼び売り男の声がする
“オウムのお告げだ 生きるか死ぬか”
“みなさん試してみませんか?”
女の子は躊躇っている
悪い辻占が出ないかと
そしてオウムは引き出した
赤いカードを引き出した

カードを読む眼は輝いた
約束された幸運に
声を震わせ楽しそうに 「恋人が来る 長生きする」
泣きそうになるのを我慢した
その日から 時の歩みは遅くなり
やきもきしながら恋人が 現れるのを待っていた
その女の子は死んだ午後 母親に悲しそうに訊ねた
“来なかった?”
邦訳:大澤 寛