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「Baldosa floja」(緩んだ敷石)
Letra : Dante Gilardoni (1921-2000)
Música : Florindo Sassone (1912-82) + Julio Bocazzi (n/d)

俺の身体にゃ踊りの血
それを運命(さだめ)と受け止めて
俺の暮しは踊ること
これしか進む道はない
恋も長くは続かない
だからこうしてひとり者
カルタの手札は切ったから
負けたら払って出て行くさ

縁(えにし)などには背を向けて
恋の鎖も俺を縛らず
さすらう雀のようなもの
昔の俺にはやる気があった
世の中全部を向こうに回し
誰かに足を踏まれたら
緩んだ敷石と同じこと
泥をはね上げてやるだけさ

知らねえな 愛なんて
俺の女は 去(い)っちまったさ
俺は踊り続けるんだ
サイコロ(*1)がどんな目を出すか

時々なにかの悲しみで
俺の瞳が曇るとき
忘れてしまった記憶から
いつでも紅いあの唇が
ふと蘇って来るときは
鍔広帽子(*2)をしっかり被り
真っ直ぐキャバレーに向かうんだ
俺の暮しは踊ること
踊りながら死ぬんだろう                   邦訳:大澤 寛

*1 taba : かかとの骨=距骨  
骨投げ遊び(羊の距骨を投げて遊ぶ=大人は金を賭ける)
    適当な日本語訳が見つからないのでサイコロとしておく
  darse vuelta la taba : 運・つきが変わる 通常悪い方に変わることを言う

agarrar : (ラ米)~に向かう Agarro para Córdova Agarró por esta calle
ambición : やる気・意欲

*2 chambergo :鍔弘の帽子 カルロス2世時代のチャンベルゴ禁衛隊の兵士が被った