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「Yuyo verde」(夏草)
Letra : Homero Expósito (1918-87)                 
Música : Domingo Federico (1916-2000)

横町 横町
遠くの 遠くの
私たちは一緒に宛ても無く歩き出そうとしていた*1
夏のあの空の下
空しく夢を見ながら
街灯がひとつ 大きな扉がひとつ
タンゴの歌(う)詩(た)にあるような
二人は一緒に彷徨(さまよ)っていた
過ぎ去った夏のあの空の下
     *1 ir perdido = ir a la deriva, ir sin destino fijo = 宛ても無く   de la mano = 手を繋いで

泣かせてくれ 激しく
古い別れの涙とともに
あの横町が尽きる所に
免罪*2のあの夏草*3が生えた           
泣かせてくれ お前を思い出させてくれ
お前の編んだ髪が私を扉に結わえつける
お前の国からは もう誰も戻って来ない
免罪の夏草があっても
*2 perdón (カトリック)贖罪・免罪
*3 yuyo verde “yuyo” は一般的に“雑草”だが、ここではyuyo verde 全体で“夏草”として置く

何処に居る? 何処に居るのだ?
お前は何処へ行ったのだ?
何処にあるのだ? 私の塒に残された羽は
生きて来たことの思いは そしてあの愛は
街灯がひとつ 大きな扉がひとつ
タンゴの歌(う)詩(た)にあるような
そして私の両手と 
過ぎ去った夏のあの空との間に流れる
この涙
                        邦訳:大澤 寛