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「Tortazos」(平手打ち)1930
Letra : Enrique Pedro Maroni(1887-1957)
Música : José Razzano (1887-1960)

作曲はJosé Razzano とSADAIC に登録されているが異説があってウルグアイ人のLuis Casaravilla Sienra によるものだと言う。また詩には多くのヴァージョンがある。ここではガルデルが1930年6月17日に録音したものを訳した。

お前は金に負けたのだ
駆け足やって来たお前に 悪い中央(まち)の灯が
道を誤まらせたのだ 
お前は何も構わずに なあ 恩知らずめ
何もかも台無しにした*      *echar a rodar = 激情に駆られて全てを台無しにする
目立つことへの憧れが
お前の心を蝕んだ
そして今では お前には亭主がいる   
“辛抱が肝心だぞ!”

なあ 笑わせるぜ
お前の新しい戸籍は
お前が貴族の出だと信じた馬鹿を
騙したんだから
お前は鼻ぺちゃの馬鹿娘*だ *pancracio/a = 馬鹿な= bobo, gil, tonto
イタリア人のジェラルトの娘だよ
ラ・ボカで働いていた
あの痩せてのっぽのイタ公*の *goruta = tarugo をひっくり返したもの=イタリア人
“覚えてないのかい 狂った女よ
中央(まち)*にやって来た頃を” *ここのasfalto は舗装された中心街を指す。敷石道・石畳と較べて蔑称として使うこともある

そして今じゃあ 車*を持って *vuature はフランス語のvoiture
リス*の毛皮を着ているな *petit gris フランス語で (動物) リス grisだけでも“リスの毛皮”
だけどフランス語でうまく騙されて
馬鹿を見るぞ
“どうしますか 何度も聞くけど* どうしますか     *tres veces=repetidamente繰り返し
クレソン・ラバージュ夫人?”
腕につける何とかいうもので
格好付けているのを見ても
ぶん殴ったりはしないさ
町なかで喧嘩はしたくないからな

奥さん “だけどあんたの大人の浮気に
気を付けないといけないぜ!”
ラモーナを覚えているなら
家賃を払ってやりなよ
成金ぶってはいけないぜ
金を撒き散らしてさ
頭を下げろよ なあ
金のある恰好をしていても
“だけど お前がタンゴのラ・クンパルシータより
有名だ*とはなあ!”              *manyado/a = ルンファルドで“知られている”=conocido

邦訳:大澤 寛