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匿名
無効

「Sueño querido」 (愛しい夢)
Letra : Mario Battistella (1893-1968)
Música : Ángel Maffia (1903-71)

俺は二十歳になっていた
夢をくれる世界を
駆け廻りたいとだけ希っていた
不幸で哀れなお袋は
悲しんで泣いたが
夢の翼に乗って 
俺は家を捨てた
俺の将来はどうなるだろうかと問うた
見込みはないと言う人はいたが
構わずに突き進んだ
若さの歌に合わせて
幻滅に出会うことも無く 夢を見ていた
“だけど 眼が覚めた”

愛しい夢よ 優しく美しい俺の青春の
お前は 暗い裏切りに驚かされた
お前の魔法のような輝きから
俺に残されたのは 悲しく夢を見る男の 壊れた兜だけだ
だから 俺の心に あの暗い鐘の音が届くとき 
俺は祈りたくなる
愛しい夢よ
お前の棺を乗せた車が行った
お前は永久に去(い)ってしまって 戻っては来ない

おれは真人間(まとも)になりたかったが
世間の物笑いになる ロマンチックな
ドンキホーテに過ぎなかった
友人にも 恋人にも 
裏切られた
そして 俺の胸の底には 苦しみが突き刺さっている
何もかも 夜明けの一番星に消される
夢に過ぎなかった
高い空を夢見た あの暗い夜に
自分を見失いそうになる
“だけど 眼が覚めた”
邦訳:大澤 寛