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「Otra vez, carnaval」(もう一度、カーニバルよ)
Letra : Francisco García Giménez (1899-1983)
Música : Carlos Di Sarli (1903-60)
瞳には 夜を
唇には 愛を
カーニバルは 意気揚々としたあの娘(こ)を
馬車に乗せて連れ歩いたものだ
魔法のように空を飛ぶ紙テープ
それがあの娘(こ)の一夜の愛だった
その後 俺の苦しみが引き摺った紙テープ
馬車の轍に巻き込まれた紙テープ
祭列が消えて影になった時
もう一度 カーニバルよ
お前の夜に 俺をあの娘(こ)に会わせろよ
あの娘(こ) 綺麗で
物怖じしない 仮面をかぶった娘(こ)
もう一度 カーニバルよ
もう一度 昨日のように
あの娘(こ)の狂った愛を
もう一度 俺は信じよう
そして多分 あの娘(こ)を思って
もう一度 明日 泣くだろう
夜明けには逃げて行く
幸運(しあわせ)も 微笑みも
それからの俺の全ての時間は
暗い孤独に満たされるのだ
俺の唇には吸穀が残る
あの娘(こ)の新しい蔑みの
そして夢の亡骸は たったそれだけになる
空気に漂うパフュームと
地面に落ちた小さな仮面だけに
邦訳:大澤 寛