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「Niño bien」(お坊っちゃん)
Letra : Víctor Soliño (1897-1983) + Roberto Fontaina (1900-63)
Música : Juan Antonio Collazo (1897-1945)

“Niño bien” は文字通りの “お坊っちゃん” 即ち “良い家柄・家系に属する” “金持ちの家の” 子供たちを指すのだが、この歌詞は “お坊っちゃん振りをするなよ(そうではないのに)” という内容。

なあ 坊や 気取り屋で 甘やかされた
格好ばかり付けたがる
なあ 坊や 家柄をよく見せかけて*           *llevar dos apellidos = 父方も母方も名家であることを
Petit Bar を自分の書斎みたいに使って                  見せびらかすため両家の姓を名詞などに書く
エライ人の振りをする* 馬鹿な奴            *ir + la + ~ =(ル) ~の振りをする
いつも親父の別荘の話をするけど
親父は 喰い扶持を稼ぎに
毎日 fainá* を売り歩いてる             *鍋に煮込んだ安い豆料理

自惚れてるなあ 他人には “お前” で話しかけ
紙巻きタバコ*なんか吸いながら *tabaco inglés = 昔は高級輸入品だった煙草が国産
Sarandíをぶらつきやがる                       されるようになり、やや侮蔑的に使われる言葉
バレンティーノの真似をして揉み上げを剃って
お前は馬鹿だよ
紅い色したネクタイ締めて
あのChantecler* では     *有名なキャバレー1924年の開店にはJulio De Caro が出演
ダンサーの振りをする                        1960年の閉店までD’Arienzo などが出演した
ポマードを塗りたくって
自分では賢いつもりだが
お前は哀れな馬鹿ものさ

なあ 坊や 生まれた下町の部屋は
灯りは灯油(ケロセン)だったなあ
お前の血筋はいい加減なものさ
お前は良い家の出だと言うがなあ
判ってないなあ* お里が知れてる**ことが   *このmanyarse = saber
勝ち誇ったように歩いていても         **着飾っていても糸くず・ぼろ(hilacha)が見えている
世間はお見通しさ お前が目立つためには
カウンターの後ろで学ぶことが沢山あることを                            邦訳:大澤 寛