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匿名
無効

「Nada」(何も無い)
Letra : Horacio Sanguinetti (1914-57)
Música : José Dames (1907-94)

君の家までやって来た
どうやってたどり着いたかは判らない
私は人から告げられた 君はいないし
もう決して戻っては来ないのだと
君は行ってしまったのだと
私の心には雪が降り積もる
君の家の入り口はなんと静かなことだろう
玄関に近づいて見ると
悲しい鍵が掛っている
私の心は立ち止まる
candado = cerradura 錠前・南京錠
何も 何も残ってはいない 君の生まれた家には
雑草の茂みにクモの巣があるだけ…
あの薔薇園もない
きっと君がいなくなったので枯れてしまったのだ
あるのは十字の鍵ばかり
何も無い 悲しみと静けさの他には
君がそこに住んでいるとは誰も言わない
君はどこに居るんだ? 君に告げたい
私が今日 後悔しながら 君の愛が欲しくて
帰って来たのだと
yuyal : 雑草地・雑草が生えている・生い茂っているところ
私はもう 君の家から遠ざかる
何処へ行くのかも判らない
言いたくないさよならを 君に告げて
君の声が木魂になって
何も無いところから 私に答える
君の家の十字の鍵に
君の嘆きを思って 私は祈っている
君の家の大きい扉に
涙が一粒 花になって流れる
哀れな私の心の                       邦訳:大澤 寛