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匿名
無効

「María」(マリア)
Letra : Cátulo Castillo (1906-75)     Música : Aníbal Troilo (1914-75)

君の名前は 多分 ただマリアだけなのか
君は 古い唄の木霊だったのか
だけど ずっとずっと昔 心の奥では俺のものだった
愛に眼の眩んだ 悲しい景色の中で

苦しみに濡れながら 秋が君を連れて来た
貧しげな小さい帽子をかぶり 栗色のコートを着た君を
君は 町の憂鬱な気分そのものだった
俺の心には雨が降っていた 降り続いていた 

マリア
俺の部屋の暗い隅に
戻って来るのは 君の足音
マリア
そして君の細く哀しげな声
“二人の間には もう何も無いわ”といった告げた
あの日の 君の声
マリア
俺だけのものだった 遠くなったなあ
いつか戻って来るだろうか
別れの言葉の町を通って

君の瞳は そこにはない港
夢の地平 沈黙の花だった
だけど 君の優しい手はここに来て
俺の熱を 色褪せた愛を 癒してくれた

秋が君を連れて来た 君の名前はマリアだった
そして俺は 君の不幸の行方を何も知らずにいた
君は憂鬱な景色のようだった
暗い町には雨が降っていた 降り続いていた 

邦訳:大澤 寛