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無効
「Mañana zarpa un barco」(明日は船出)
Letra : Homero Manzi (1907-51)
Lucio Demare (1906-74)
(“明日は船出”というタイトルはこれもまた先人の名訳のひとつ)
錨を下ろすと触れるのは いつも変わらぬあの岸辺
港は呉れる海の歌
そこで迎えてくれるのは 悲しい目をした女たち
酒は何処でも同じ味
だけどここでは心が弾む お前の住んでるこの港
リアチュエロ
バンドネオンの嘆きの音色 最後の一節まで踊ろうぜ
明日は船が出るのさ 多分戻らない船が
陸(おか)では人は上手に踊る
明日の夜明けにゃ発たねばならぬ
夜は長いし さあお嬢(ねえ)ちゃん
どうして泣くんだ 判らんぜ
お前が嘆(な)くのは見たくない
港を離れて遠くに居ても
俺はお前の名を呼ぶだろう
海に思い出を語るだろう
夜は長いし さあお嬢(ねえ)ちゃん
どうして泣くんだ 判らんぜ
お前が嘆(な)くのは見たくない
二月(ふたつき)の俺の心の船の旅
二月をバンドネオンの音色に焦がれ
タンゴは優しい港 そこに夢が錨をおろす
タンゴの踊りのリズムの中で
荒れる気持ちは揺られて休む
夜になれば 海には夢見る月が出る
俺は波の音に騙される このタンゴを踊ろうぜ
思い出したくない
明日は船が出ることを
多分戻らない船が
邦訳:大澤 寛