第22回東京バンドネオン倶楽部「異邦人のタンゴ」

第22回東京バンドネオン倶楽部「異邦人のタンゴ」

 

2019年8月31日JR中央線荻窪駅から徒歩7分にある杉並公会堂で東京バンドネオン倶楽部が「異邦人のタンゴ」と冠したコンサートを開催した。出演は東京バンドネオン倶楽部安達亮代表以下17名とその指導者である小松亮太のユニット10名、それにゲストとしてフラメンコギター奏者の沖仁と歌手のクミコという顔ぶれで、ステージいっぱいの迫力あるコンサートを展開した。

第1部は“Che Buenos Aires”から始まり、 “Buenos Aires –Tokio” に続いて3曲目は最近誰しも取り上げる日本のタンゴ “夜のプラットホーム” 、その後は代わってドイツ曲の “Blauer Himmel”,と “Tango Nocturno” 、6曲目で歌手のKaZZmaが登場してガルデルの “El día que me quieras” と“Miriñaque”、8曲目は小松亮太が度々手掛けているアニメ映画の挿入曲から “In the Forest”(森の中で)、そして今度はフランス生まれの “Amigo Piazzolla”という謂わばピアソラ讃歌、第1部の最後は漸く “Libertango” でピアソラどめとなって何となく納得したような雰囲気が漂っていた。

最2部はフラメンコギターの沖仁登場で、まず “Habanera” で小松亮太との共演、続いてジャズのチック・コリアが作曲した “Spain”、その後は矢張り古典タンゴを持ち出さないといけないと思ったのか、ここで “Canaro en París” の大合奏に入り、一息入れたところでゲスト歌手のクミコが登場し、“小さな喫茶店”、“さよならの夏”、“Uno”を歌い、第2部の最後のホセ・リベルテーラ作曲“Universo”(宇宙)でオートラとなった。

杉並公会堂は定員1090名とかであるが、この日は満席の盛況で、タンゴコンサートとしては上々で、席の予約を確保するのも一苦労した。小松亮太の動員力もさることながら、今回はスペシャルゲストとして沖仁とクミコを招いたことも、この催しを盛り上げた一因ではないかと思われる。普段はクラシックの交響曲や協奏曲、室内楽の催しが杉並公会堂であるが、音響設備は好く、特に弦楽器の響きが確実に聴衆の耳によく届いているのが感じられた。中でもステージの左側にチェロ(松本卓以)、右側にコントラバス(田中伸司)、中央にバイオリン(近藤久美子と專光秀紀)を配している辺りも、タンゴはバンドネオンだけの音楽ではなく、弦楽陣が充実してこその音楽であることを印象づけるのに効果があったかと思われる。

東京バンドネオン倶楽部を率いる小松亮太は相変わらず後進の指導に力をいれているようで、韓国や台湾にも出かけて実地に教えている。この日も韓国から Lee Yun-Kyung というお弟子さんが参加していた。このコンサートの副題に「異邦人のタンゴ」と銘打っているのもその辺を意識しているような感じであった。

 

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