日亜修好120周年記念交流事業として茨城県境町でタンゴショー開催

 2018年は日本とアルゼンチン共和国との修好120周年の年に当たるということで、各地で記念の催し物が行われたが、その一つが11月17日に茨城県境町で開催された“アルゼンチンタンゴショー”であった。それは単なるタンゴショーではなく、日亜交流事業として境町が町を挙げての大きなイベントであった。

境町というのは茨城県の一地方都市であるが、茨城県と埼玉県と千葉県が境を接する位置にあり、人口2万5千人弱の町で、茨城県では水戸や取手などと比べると知名度はあまり高い方ではないが、ことアルゼンチンとの関わり合いにおいては断然他の市町村とは比較にならない程重要な役割を果たしていることが分った。

それは1853年(嘉永6年)ペリーの黒船がやって来た時、アルゼンチン人のモンテネグロという人が一行の中に居り、その人の接待をしたのが境町出身の野本作次郎であったことから始まっている。二人は親交を深めたので、境町は図らずも江戸時代の終わり頃にはアルゼンチンへの窓口となったそうである。時は下って1934年(昭和9年)モンテネグロの孫が野本作次郎の孫である野本作兵衛に会うことで再び交流が再開したのである。翌年1935年にはそのモンテネグロ氏が境町の長田小学校を訪れ、モンテネグロ賞という奨学金を設け、成績の優秀な児童のために寄付していたとのことである。更に、1937年(昭和12年)には野本家の敷地にモンテネグロ会館が寄贈され、土地の人達の寄り合い場所として長年利用されてきたので、境町とアルゼンチンとは長く深い繋がりを保ってきたのであった。1989年(平成元年)には駐日アルゼンチン大使を招いての交流イベントも行われるようになり今年で30回を迎えた訳である。

2016年(平成28年)からは毎年町内の長田小学校から児童がアルゼンチンに派遣されて、現地の児童との交流が始まり、今年も数人の児童がアルゼンチンを訪問したので、11月17日のイベントでは今年派遣された児童が壇上で体験発表を行った。

このイベントは境町が主催、在日アルゼンチン大使館、日本アルゼンチン協会、そして日本タンゴ・アカデミーが後援で、会場は境町中央公民館講堂で行われたが、どうみても平素タンゴとはお付き合いのなさそうな来訪者で満席以上の盛況となり補助椅子を相当数持ち出していた。つまり普段タンゴを聴いたり、ダンスを観たりする機会の殆どない人達にも、アルゼンチンとの交流事業にはかなりの関心があったようである。

主催者を代表して境町の橋本正裕町長が挨拶され、次いでアルゼンチン側からアラン・ベロー駐日大使が挨拶された後、アルゼンチン協会や、茨木県議会の来賓挨拶に続いて、タンゴショーとなり、メンターオ五重奏団の演奏に、歌手の小島りち子と、ダンサーの高志&めぐみがステージを華やかに彩り、まさに“これがタンゴだ”と町民に訴えたのであった。タンゴショー第1部と第2部の間で、タンゴ講座としてNTA飯塚久夫会長が素人にも分かりやすいように、日本とアルゼンチンが如何にタンゴという音楽でも繋がっているかということを解説した。

この日の催しは勿論、境町とアルゼンチンとの長年の交流があってこそ成功裡に終了したが、折角の日亜修好120周年が日本各地でもっと盛大に開催されても好かったのではないかと感じた一日であった。

 

 

 

 

 

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