古橋ユキ タンゴカルテート LIVE

古橋ユキ タンゴ カルテート LIVE 

@雑司ヶ谷「エル・チョクロ」2019.6.22

齋藤 冨士郎

 古橋ユキ タンゴ カルテートのライブが2019年6月22日に雑司ヶ谷「エル・チョクロ」であった。古橋ユキ四重奏団が「エル・チョクロ」に出演するのはこれが初めてである。メンバーはVn. 古橋ユキ、Pf. 深町優衣、Bn.鈴木崇朗 Cb. 高杉健人の4人、演奏曲目は第1部が 1. 9 de julio2. CTV. 3. El Llorón, 4. Payadora, 5. Que me van a hablar de amor,

6. Margarita Gauthier, 7. El Motivo, 8. La Cumparsita, 第2部が 1. Majó Majú,

2. Soledad, 3. Contrabajeando, 4. Escualo, 5. El Torito, 6. El Choclo,

7. Ventarrón, 8.Bordoneo y 900, アンコールはLa Bordona”, アンコールアンコールは “Jalousie” の計18曲であった。見ての通りグアルディア・ビエハから現代曲、歌曲まで含んだ多彩な取り合わせである。

 古橋ユキのバイオリンについては「レベルが違う」という定評が夙に定着しているが、今回もその定評に違わない、或いは定評を上回る、見事な演奏で「モノが違う」との感を深めた。他の3人もベテラン揃いで、古橋ユキのバイオリンと呼応しての力の籠った演奏ぶりで、「力演」の見本のようなパフォーマンスであった。

 演奏曲目はいずれも古橋ユキの編曲になるもので、カバー物は一つもない。古橋ユキはピアソラからタンゴに入ったと聞いているので、やはりピアソラ作品のような現代曲が冴えている。

Soledadは改めて聴くと何とも難しい曲だなあと感じた。本来は歌の曲であるQue me van a hablar de amorMargarita Gauthierをこのような形で取り上げるのも中々野心的であると思った。一方、グアルディア・ビエハについては我々聴く方の耳がどうしても昔の演奏から離れられないので、それを打破するような編曲となるとやはり一筋縄では行かないようである。尤もこれはこの楽団に限らず現代のタンゴ楽団が共通に抱えている課題でもある。

 どのタンゴ楽団についても言えることであるが、いろいろなライブに行くとその楽団に決まった顔触れにいつも気づく。今回もわざわざ沼津市から来ている人がいた。どこにでも顔出す「浮動客」ではなく、このような「固定客」、「追っかけ」をつかむことが楽団経営上は重要なことなのであろう。

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