前田はるみチコス・デ・パンパと共演

前田はるみ チコス・デ・パンパ と共演

 

2019年9月6日よみうり大手町ホールでチコス・デ・パンパのコンサートが開催されたが、そのチラシには「伝説のタンゴ歌手前田はるみ(88歳)を迎えて」とあった。歌手の年齢を明記するのは若干気が引けたがA4サイズのカラーのチラシに大々的に書いてある以上ご本人の了承は取り付けているものと思われる。久しく前田はるみを歌を直に聴く機会はなかったが、この日は何年ぶりかの出会いであった。夫君の永田文夫氏他界の後、脚を悪くしたようであったが、幸い手押し車のような支えを使って舞台に登場し、大きな拍手で迎えられた。

この日は第1部で“Yira yira …”、“Frente al mar”、“El choclo”の3曲、第2部で は“Tango notturuno”、“El adiós”、“Mano a mano”の3曲を見事に歌いこなした。最後の“La cumparsita”は共演の KaZZma と一緒にステージの最後を飾ったが、お馴染みの太く低い声は今も健在であった。脚が悪いので、ピアノの横に設けられた一種の補助椅子のようなものに時折より掛かっていたが、さして痛々しい感じはなく齢を感じさせない歌声に圧倒されたのが実感であった。

演奏のチコス・デ・パンパはピアノの宮沢由美がリーダーでMCを務め、バンドネオン北村聡、バイオリン永野亜希、コントラバス佐藤洋嗣といういつもの陣容であったが、宮沢由美は前田はるみの 人柄に触れ、最初は初めてのお付き合いで、若干こわごわお会いしたが、チコスのような後輩に対しても大変優しく、リハーサルも楽しく演らせて頂いたと感謝を述べていた。

大手町ホールに来ていた聴衆の中には、前田はるみを知らない人もいたようで、休憩時間の立ち話に耳を傾けると、日本人タンゴ歌手といえば藤沢嵐子しか知らないような年代の高齢者も多くいたようで、茲に前田はるみがいるぞと印象付けたのではないかと思った。

チコス・デ・パンパは当然のことながらダリエンソ・スタイルで全21曲を演奏したが、その中で、コンサートの度に宮沢由美が必ず取り上げている Carlos Lazzari の“Pianistango”(何でもピアニストのためのタンゴといった意味合いでラサリが作曲したと伝えられている)は矢張り秀逸で、普段聴きなれているダリエンソ曲とはまた一味違う出来栄えと感じた。

チコス・デ・パンパは11月にも歌手に菅原洋一、山口蘭子、秋元順子等と共演するそうであるが、できればまた前田はるみとの共演を再現して欲しいというメッセージがアンケートに書かれていたそうである。

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