ライブレポート 厳寒の銀座でタンゴを聴く

厳寒の銀座でタンゴを聴く

 

 2018年1月26日(金)東京は先日来の行きも残っており、夕刻時の外気温はー4Cという寒さで、何十年ぶりとかの将に冬将軍に占領されたような天気であったが、それでも外出を控えるどころか開演19:15に間に合うよう銀座に赴いた結果は大正解であった。

有楽町駅から歩いて直ぐの「銀座SOLA」というライブハウス(当事者側の呼称はコンサート・スペースであるが)で「東京・銀座に、アルゼンチンの風が吹く」と題してタンゴのライブが開催された。僅か50席程のライブハウスが寒さにめげずやってきた熱心なタンゴファンで満席となった。

出演は歌手で当会会員の Sayaca に、コントラバスの田中伸司がマエストロを務める五重奏団が共演するもので、メンバーは:

田中伸司(Cb)、吉田篤(Vn)、西原なつき(Bn)グスタボ・エイリス(Gt)小林萌里(Pf)で、西原なつきはブエノスアイレスのエスクエラで修行中であるが、ギターのグスタボ・エイリスと一時帰国中ということであった。そのためか嘗て西原が働いていた雑司ヶ谷のエル・チョクロの伊藤店主、それに、ピアニストの池田みさ子や青木菜穂子も応援に駆け付けていた。

演奏は “El Marne” で始まり、2曲目の “Chiquilín de Bachín”の後、Sayaca が登場して、”Sur” と “Uno” を歌い、第1部の最後にはイタリア語で “Se potessi ancora” を披露した。第2部では少し タンゴから離れてハバネラの “Como la cigarra” やボレロの “El reloj” をグスタボ・エイリスとドゥオで歌うなど色々趣向を凝らしてくれた。

当日の演奏曲の多くはアルゼンチンから来日したギターのグスタボ・エイリスが手掛けていたが、エイリスはピアノも弾くので、普段耳にする編曲とは異なる凝ったアレンジもあり、曲の出だしだけでは何の曲か分からず、演奏が進む間に「ああ、あれか」と判るような仕掛けもあり、この辺も面白い試みと思われた。そうしたアレンジもベテランの吉田篤は難なく弾きこなしており、田中伸司のコントラバスとよく掛け合い、流石の存在感を示していた。

一時帰国中の西原なつきも修行中とはいえ、難しいアレンジをよく弾きこなしており、これからブエノスアイレスに戻って、更に腕を磨いてくれるものと期待される。ピアノの小林萌里もまだ若手であるが、矢張りブエノスアイレスで学んできた経験に裏打ちされており、中々迫力のあるタッチを披露していた。小林は時折「エル・チョクロ」にも出演しているので、これからもベテラン演奏家に交じって腕を磨いてくれるものと期待している。

第2部は “Mi Buenos Aires querido” とアストル・ピアソラの “María de Buenos Aires” から “Milonga de la anunciación” でプログラムとしては終わりとなった処で、オートラ!に応えて最後は “El choclo” でお開きとなった。

 

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