ライブレポート タンゴ・ワセダ年次リサイタル

オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダ第56回リサイタル

 

 12月27日「中野ゼロ小ホール」でオルケスタ・デ・タンゴ・ワセダの年次コンサートが開催された。今回はその第56回リサイタルで、総勢20名という正にグランオルケスタが力強く、時に華麗な演奏を展開した。

プログラムの表紙が例年と異なり、なんとあの鳥羽大僧正描く鳥獣戯画の蛙がバンドネオンを弾いている絵で意表をついていた。何しろこのオルケスタにはピアノもコントラバスも演奏者が3名ずついるので、曲ごとに選手交代ならぬ演奏者交代がしきりに行われるという贅沢な陣容を誇っている。

本年度マネジャーの伊藤美紀を中心に5人(時に6人)のバンドネオン陣が前列に並ぶ姿は現在滅多にみられない光景で「流石ワセダ」の観ありであった。

フルビオ・サラマンカのスタイルで演奏された「エル・タイタ」で始まった第1部では7曲が披露されたが、中でもオスマール・マデルナの「ジュービア・デ・エストレージャス」(邦題は「降る星の如く」)では1年生の伊藤龍がプロ顔負けのピアノを弾きこなしたのが注目された。

司会は例年の如くタンゴ・ワセダの番頭と自称する日本タンゴ・アカデミー飯塚久夫会長が務め、曲目と演奏者を手際よく紹介する形で進行した。

第2部ではまず、コビアンの「ラ・カシータ・デ・ミス・ビエホス」をバンマスの守田春菜がピアノソロで弾きこなした後、6曲を色々異なる形のコンフントで演奏した。その2曲目アローラスの「ラ・カチーラ」はコントラバスを幹事長の宮崎有紀、ピアノをバンマスの守田春菜、バンドネオンをマネジャーの伊藤美紀という、3年生の将に三役登場による演奏が展開された。3年生は毎年の例で演奏活動をこれで退き、OBとなるため4年生としては人前で演奏することは出来なくなるという実に残念というか勿体ない話なのであるが、一説にはタンゴ・ワセダではそのようにして若い後輩に活躍の場を与えるのだそうである。ことによると、それが故にタンゴ・ワセダは末永く継続して来られたと言えるのかも知れない。

第3部はレオポルド・フェデリコのミロンガ「アル・ガローペ」で始まり、7曲目コビアンの「ミ・レフーヒオ」まで、時折メンバー交代しながらオルケスタの演奏に終始した後、最後の最後は矢張りというか当然のことながら「ラ・クンパルシータ」で締め括った。オルケスタの全員が舞台に上がり、ピアノを弾かないピアニストもバイオリン片手に登場するなどワセダならでの特異な演出が施され、その間を司会の飯塚氏がメンバー全員を紹介して閉幕となった。v

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